スターベース東京のブログ

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【ミューロン180C実写画像】3月27日の月面

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M-180Cによる月面(リサイズなし)。保存→プレビューで大きく見られます


 

 ミューロン180C(「ミューロン」の略記は以前はμでしたが、最近はMとなっています)は口径180mm、主鏡が規定位置にあるときの全系での焦点距離2160mm(F12)のDall-Kirkham式反射望遠鏡です。


本機は主鏡移動によって焦点位置を移動させる方式のため、主-副鏡間距離によって全系での焦点距離が変わります。鏡間距離がもっとも小さいとき(ピント位置が最外)は全系の焦点距離 2400mmほど、もっとも大きいとき(ピント位置が最内)は 2000mmほどになります。鏡間距離によって諸収差の出方も変わりますが、主鏡が上記の範囲のどこにあっても中心像の球面収差は実用上無視できるレベルに抑えられています。

ミューロンシリーズを使いこなすには、鏡筒の温度順応が必須です。屋内外の気温差が大きい冬場には2時間ほど外気に馴染ませてから使うのがいいでしょう。
ミューロンシリーズは小口径屈折などに比べると大気の動揺の影響を受けやすく、使う場所の近くの家で給湯器が使われるだけで像が悪化することもありますが、条件が揃えば極めてシャープな中心像を得られるのが魅力です。
※ミューロンシリーズの良像範囲については↓

をご覧ください。

今回はZWO ASI174MMを用いて月面の撮影を行いました。主要な撮影情報は以下のとおりです。

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2018年3月27日 0時26分13秒~

シャッタースピード 10ms(1/100s) / ゲイン 195(48%)

1000フレーム撮影(.AVI 動画にて)×8枚モザイク

※Astronomik ProPlanet742フィルター使用

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パラメータの設定は
1.大気の影響を低減しシャープな像を得るためにAstronomik ProPlanet742フィルターを併用したうえで
2.毎秒数十フレームの取得ができるようシャッタースピードを1/100sに設定し、
3.この状態で月面の最も明るい部分がギリギリ白飛びしないようにゲインを設定
しました。

 

これからの季節に大気の状態が安定すれば、もしくはバローレンズ等で拡大撮影をすれば、より細部まで分解したシャープな画像が得られると思われます。

 

 

※タイトルに誤りがありました。「3月25日」→「3月27日」に訂正しました(4/20)

【FS-60CB + RD 実写画像】 望遠レンズ並みに小型軽量 / フルサイズ周辺星像も良好です

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大マゼラン雲 2017年2月26日 ニュージーランド・レイクテカポ湖畔にて撮影 

※上の画像は4コマモザイクです。

 

 

◇概要
FS-60CB鏡筒に専用の「レデューサーC0.72x」を併用すると、

焦点距離255mm / F4.2 / イメージサークル40mm

の写真用鏡筒になります。


周辺光量落ちの影響で、カタログスペックではイメージサークル40mmとなっていますが、星像そのものは中心から35mmフルサイズの最周辺まで良好なので、適切なフラット補正を施せばフルサイズ全面で使用できるでしょう。

 

Fの明るさと焦点距離の短さゆえにオートガイドなしでも撮影の成功率が高いこと、小型軽量のためワンランク小さな赤道儀で運用できることが強みです。

 

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FS-60CB + RD + Canon EOS 6D(IR改造) IS0-1600 480s jpeg撮って出し

 

◇実写画像とその印象
 周辺減光はAPS-Cではあまり気になりませんが、フルサイズでは周辺部で急な光量の落ち込みがあり、フラット補正したいところです。

 

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FS-60CB + RD フラット画像

 

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FS-60CB + RD 実写画像(撮って出し)

 

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FS-60CB + RD 実写画像(Lightroom5「色収差の低減」あり)

 

 



 

 

【FS-60CB + FL 実写画像】小型軽量で高剛性の写真機

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オリオン座三ツ星付近 2016年12月28日 長野県東御市にて撮影

※「FS-60Cフラットナー」は生産終了・在庫払底となりました。詳細はタカハシWEBサイトのこちらをご覧ください。


◇概要

 

 FS-60CB鏡筒に専用の「FS-60Cフラットナー 」を併用すると、

焦点距離370mm / F6.2 / イメージサークル45mm

の写真用鏡筒になります。


F/6.2とやや暗めではありますが、35mmフルサイズの周辺まで崩れない星像が得られます。短めの焦点距離であることに加えて、小型軽量で架台に負担をかけませんので、オートガイドなしでも星を完全な点に写せるチャンスが高まります。
※中間域の星像肥大については後述

 

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FS-60CB + FL + Canon EOS6D(IR改造) ISO-2500 240s jpeg撮って出し

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FS-60CB + FL 実写画像


◇実写画像とその印象


 輝星に出る「ヒゲ」は全方位に均一できれいです。画像中心では星に紫のフリンジが、周辺では緑色が放射状に伸びて出ますが、観賞サイズがA4プリント程度までであればほとんど気になりませんし、画像処理で対応することもできます。


 Fの暗いおかげか、フルサイズ最周辺でも星に光条(カメラマウント内側フチやミラーボックスまわりでの回折によるもの、口径食による逆クサビ状の肥大)が出ず、そのためにモザイク撮影にも好適です。焦点距離370mmなので、各画像の20%を重複のりしろとしても、オリオン座の鼓型が4×4モザイクで収まります。

 

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FS-60CB + FL 中間域での星像の「肥大」

 

※中間域での星像肥大について


FS-60CBとFS-60Cフラットナーの組み合わせでは、中央と35mmフルサイズ最周辺にピントが合うようにしたときに、APS-C最周辺~フルサイズ長辺端くらいの領域で星像がわずかに肥大します(設計値では赤色が円周方向に、緑色が放射方向にそれぞれ伸び、この2色で「×」を描くような星像になります。今回の実写でもそのとおりの結果が得られています)


35mmフルサイズで使うぶんには大きな問題もない(微光星を消す処理を施す場合はフリンジ低減を併用すれば画面全域で星像が均一になります)ですが、APS-Cセンサーのカメラで撮影する場合には「周辺が流れる」ということになってしまいます。


これを解消するために当店では「FS-60Cフラットナー用シムリング」をご用意しました。これによってAPS-Cセンサーの中心から周辺まで星像を均質にできます。ただし本シムリング併用時は、APS-Cの外で星像が悪化します。


(応急処置として…)本シムリングを使わなくても、フリンジ低減処理(中心像では紫、APS-C周辺像では赤と緑)を行えば、周辺像の「流れ」はある程度軽減できます。

 

【FOA-60 + FL0.93x 実写画像】 Fは暗いが周辺まで抜群の星像

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アメリカ星雲 2017年5月3日 福島県田村市にて撮影

 

◇概要
 FOA-60鏡筒に専用の「フラットナー0.93x」を併用すると、

焦点距離495mm / F8.2 / イメージサークル44mm

の写真用鏡筒になります。
Fが暗いために淡い天体の描出には不向きで、どちらかというとアンドロメダ銀河やオリオン大星雲など大型で有名な天体の撮影に適性があります。

 この実写画像は福島県田村市(星の村天文台の近く)で撮影したものですが、天の川のよく見える環境下ではISO-2500でも7分の露出を要しました。露出時間がこのくらいになるとオートガイドがほしいところです。鏡筒は小型ですが、全体のシステムはやや大型になってしまうでしょう。

 

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FOA-60 + FL0.93x + Canon EOS6D(IR改造) ISO-2500 420s jpeg撮って出し

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FOA-60 + FL0.93x 実写画像

 

◇実写画像とその印象
 Canon EOS 6D(改造機)で実写した印象としては、FOA-60 + FL0.93xの星像は、中心から35mmフルサイズ最周辺までの全面において極めて均一かつシャープです。最周辺では星に放射状の光条が出たり(カメラマウントのフチでの回折によるものと思われます)輝星にわずかなヒゲが認められますが、それらを除いて星像に文句は付けられません。
 周辺減光も穏やかなのでフラット補正が容易です。

本鏡筒を焦点距離495mm / F8.2の高性能望遠レンズと捉えれば、天体写真だけでなく、(置きピンのできる)鉄道や飛行機などの撮影にも好適でしょう。カメラレンズよりもレンズ構成枚数が少なく、ヌケのよい描写が期待できます。

 

 

M-210 スポットダイアグラム

M-210鏡筒のスポットダイアグラムのページです。

 

イメージサークルは「良像かつ中央光量比60%」を達成する範囲としています。
※スポットダイアグラムのデータが鏡筒の写真性能のすべてを決定するわけではございません。

 

 

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M-210鏡筒 焦点距離2415mm F11.5



 

 

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M-210+μフラットナーレデューサー 焦点距離1961mm F9.3 イメージサークルΦ30mm

 

M-180C スポットダイアグラム

M-180C鏡筒のスポットダイアグラムのページです。

 

イメージサークルは「良像かつ中央光量比60%」を達成する範囲としています。
※スポットダイアグラムのデータが鏡筒の写真性能のすべてを決定するわけではございません。

 

 

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M-180C 直焦点 焦点距離2160mm F12



 

 

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M-180C+μフラットナーレデューサー 焦点距離1760mm F9.8 イメージサークルΦ30mm