スターベース東京のブログ

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【FS-60CB + FL 実写画像】小型軽量で高剛性の写真機

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オリオン座三ツ星付近 2016年12月28日 長野県東御市にて撮影

※「FS-60Cフラットナー」は生産終了・在庫払底となりました。詳細はタカハシWEBサイトのこちらをご覧ください。


◇概要

 

 FS-60CB鏡筒に専用の「FS-60Cフラットナー 」を併用すると、

焦点距離370mm / F6.2 / イメージサークル45mm

の写真用鏡筒になります。


F/6.2とやや暗めではありますが、35mmフルサイズの周辺まで崩れない星像が得られます。短めの焦点距離であることに加えて、小型軽量で架台に負担をかけませんので、オートガイドなしでも星を完全な点に写せるチャンスが高まります。
※中間域の星像肥大については後述

 

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FS-60CB + FL + Canon EOS6D(IR改造) ISO-2500 240s jpeg撮って出し

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FS-60CB + FL 実写画像


◇実写画像とその印象


 輝星に出る「ヒゲ」は全方位に均一できれいです。画像中心では星に紫のフリンジが、周辺では緑色が放射状に伸びて出ますが、観賞サイズがA4プリント程度までであればほとんど気になりませんし、画像処理で対応することもできます。


 Fの暗いおかげか、フルサイズ最周辺でも星に光条(カメラマウント内側フチやミラーボックスまわりでの回折によるもの、口径食による逆クサビ状の肥大)が出ず、そのためにモザイク撮影にも好適です。焦点距離370mmなので、各画像の20%を重複のりしろとしても、オリオン座の鼓型が4×4モザイクで収まります。

 

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FS-60CB + FL 中間域での星像の「肥大」

 

※中間域での星像肥大について


FS-60CBとFS-60Cフラットナーの組み合わせでは、中央と35mmフルサイズ最周辺にピントが合うようにしたときに、APS-C最周辺~フルサイズ長辺端くらいの領域で星像がわずかに肥大します(設計値では赤色が円周方向に、緑色が放射方向にそれぞれ伸び、この2色で「×」を描くような星像になります。今回の実写でもそのとおりの結果が得られています)


35mmフルサイズで使うぶんには大きな問題もない(微光星を消す処理を施す場合はフリンジ低減を併用すれば画面全域で星像が均一になります)ですが、APS-Cセンサーのカメラで撮影する場合には「周辺が流れる」ということになってしまいます。


これを解消するために当店では「FS-60Cフラットナー用シムリング」をご用意しました。これによってAPS-Cセンサーの中心から周辺まで星像を均質にできます。ただし本シムリング併用時は、APS-Cの外で星像が悪化します。


(応急処置として…)本シムリングを使わなくても、フリンジ低減処理(中心像では紫、APS-C周辺像では赤と緑)を行えば、周辺像の「流れ」はある程度軽減できます。