ミューロン180C(「ミューロン」の略記は以前はμでしたが、最近はMとなっています)は口径180mm、主鏡が規定位置にあるときの全系での焦点距離2160mm(F12)のDall-Kirkham式反射望遠鏡です。
本機は主鏡移動によって焦点位置を移動させる方式のため、主-副鏡間距離によって全系での焦点距離が変わります。鏡間距離がもっとも小さいとき(ピント位置が最外)は全系の焦点距離 2400mmほど、もっとも大きいとき(ピント位置が最内)は 2000mmほどになります。鏡間距離によって諸収差の出方も変わりますが、主鏡が上記の範囲のどこにあっても中心像の球面収差は実用上無視できるレベルに抑えられています。
ミューロンシリーズを使いこなすには、鏡筒の温度順応が必須です。屋内外の気温差が大きい冬場には2時間ほど外気に馴染ませてから使うのがいいでしょう。
ミューロンシリーズは小口径屈折などに比べると大気の動揺の影響を受けやすく、使う場所の近くの家で給湯器が使われるだけで像が悪化することもありますが、条件が揃えば極めてシャープな中心像を得られるのが魅力です。
※ミューロンシリーズの良像範囲については↓
をご覧ください。
今回はZWO ASI174MMを用いて月面の撮影を行いました。主要な撮影情報は以下のとおりです。
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2018年3月27日 0時26分13秒~
シャッタースピード 10ms(1/100s) / ゲイン 195(48%)
1000フレーム撮影(.AVI 動画にて)×8枚モザイク
※Astronomik ProPlanet742フィルター使用
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パラメータの設定は
1.大気の影響を低減しシャープな像を得るためにAstronomik ProPlanet742フィルターを併用したうえで
2.毎秒数十フレームの取得ができるようシャッタースピードを1/100sに設定し、
3.この状態で月面の最も明るい部分がギリギリ白飛びしないようにゲインを設定
しました。
これからの季節に大気の状態が安定すれば、もしくはバローレンズ等で拡大撮影をすれば、より細部まで分解したシャープな画像が得られると思われます。
※タイトルに誤りがありました。「3月25日」→「3月27日」に訂正しました(4/20)