◇概要
M-210(ミューロン210)に「μフラットナーレデューサー」を併用すると、焦点距離1961mm / F9.3 / イメージサークルΦ30mmになります。
「ミューロン」といえば眼視中心像のシャープさとメンテナンスの容易さ(主鏡部分を取り外しても光軸がほとんどズレない=後日詳しくご紹介予定です)がウリですが、対応補正レンズを取り付けることで一眼デジカメや冷却カメラでの本格的な天体撮影にも対応できるようになります!先日のM-180Cに引き続き今回はM-210での撮影結果をご紹介します。
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・スポットダイヤグラムの示す通りの星像が得られています。周辺部では星が∧型に写りますが、よほど拡大して見るのでなければ気にならないと思います。それよりも中心像のシャープさは「やはりミューロン」と言うべき期待通りのもので、気流に恵まれれば銀河や星雲のかなりの詳細まで写し取ることができます。
・周辺減光は「PCの白画面に紙を敷いて、そこに筒先を当てて撮る」フラット画像でほとんど綺麗に補正できました。Φ30mmのイメージサークルまでは基本的にはこの方法で問題ないと思います。
・イメージサークルを超える35mmフルサイズのカメラでも全面に渡り撮影を楽しめます。ただしイメージサークル外の最周辺部では減光が激しいので、そこはトリミングで切り落とすか、または十分な露光時間(できればトータル2時間以上)をかけてノイズを減らすか、工夫が求められます。
・オートガイドは先日発売の「ミューロン180/210でオートガイドするためのアリガタ」併用が有効で、このパーツ+ZWO 30mmF4ミニガイドスコープ+M-GENを使ったこの日のテストではズレ量は「2時間で17秒角ほど(EOS6Dでは25ピクセルほど)」でした。これは鏡筒内部に由来する(主鏡のスライド機構や副鏡を吊っていること?)と思われ、防ぐことはできませんが、ミューロン180/210は元々が眼視用の鏡筒ですので「補正レンズ併用でここまで写る」という結果のほうを肯定的に捉えていただきたいと思います。また、最近のデジカメを使えば感度を上げることで各コマの露光時間を短くし、星が流れないようにすることも十分可能ですから、この点は克服可能です。
・M-180Cではスパイダーが3本なので6本の回折光条が発生しますが、M-210ではスパイダーが4本のため回折光条は4本(天の東西南北に対して+ではなく×型)写ります。ピント合わせはこれが最もハッキリする位置を目安にできるので便利です。
最後に、薄明開始後にあわてて撮った夏の天体たちもご紹介します。眼視にも撮影にも、Mewlon-CRSだけでなくM(ミューロン)も良いですよ!!