スターベース東京のブログ

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【TOA-130N + TOA-645フラットナー】 結像性能最強!TOAシリーズ全機種に使える新発売のフラットナーです

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TOA-130NS + TOA-645フラットナー + ZWO ASI2400MC Pro + ZWO IR/UVカットフィルター / -5℃, Gain=140, 3分×109枚コンポジット

 

◇概要

TOAシリーズ鏡筒用にはこれまで「35フラットナー」(イメージサークルΦ40mm)と「67フラットナー」(同88mm)がありましたが、67フラットナーは今年の3月に生産終了となっておりました。それに代わる次世代の高性能フラットナーが今回ご紹介する「TOA-645フラットナー」です。

タカハシwebサイトでは【妥協が一切無い対物レンズの性能を100%生かすベストパートナー】と謳っていますが、それにふさわしい最高性能の製品です。計算上のスポット径は中心1μm、APS-Cの周辺で2μm、フルサイズ周辺でも3μmで、光の回折を考慮すれば「これ以上星像を小さくできない限界」に達していると言えます。またイメージサークルの最周辺でも同5μmと、気流の影響を考慮すれば実用上完璧な収差補正がなされています。

 

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旧「67フラットナー」との比較。67フラットナーもかなり良い性能なのですが…645フラットナーはその1段上を行く超高性能です。

 

TOA-645フラットナーを使うと焦点距離が1%程度短縮されます。

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TOA-130シリーズ 1000mm→990mm(F7.6)

TOA-150シリーズ 1100mm→1085mm(F7.2)

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TOA-130NSなどにも使える!】

旧67フラットナーは大型接眼体を備えたTOA-130NFBやTOA-150B等にしか取り付けられませんでしたが、今回のTOA-645フラットナーはすべてのTOAシリーズ鏡筒に対応しています。合焦位置ではかなりドロチューブを繰り出す状態になり、大型接眼体のTOA-130NFBやTOA-150BではM92の延長筒「67フラットナー延長筒」を2つ重ねて追加する必要があります。

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それではいつものように画像をご紹介してまいります。

 

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TOA-130NS + TOA-645フラットナー + ZWO ASI2400MC Pro + ZWO IR/UVカットフィルター / -5℃, Gain=140, 3分 ステライメージでFITS画像を現像のみ


今回は冷却CMOSカメラの撮影なので、フラット画像についてはいつもとかなり違う条件となっています。Canon EOSRaで撮影したフラット画像を以下に掲載します。

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TOA-130NS + TOA-645フラットナー + Canon EOSRa フラット画像

 

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TOA-130NS + TOA-645フラットナー + ZWO ASI2400MC Pro + ZWO IR/UVカットフィルター等倍画像



容量の関係で生データをご覧いただけないのが残念ですが、撮影後に元画像をじっくり眺めて驚きました。画像のどこを見ても星像が一様で、光量分布も偏りがないので、アップで見ていると一体どちらが画像の中心なのか全く見当もつかないのです。

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【クイズ】これは画像のどのあたりでしょう?正解は本記事の最後で。

TOA-645フラットナーはレデューサーではないので併用時はF7台とそこまで明るくはありません。しかし現代のデジタルカメラと組み合わせれば無理なくさまざまな対象を狙えるスペックです。それに加えて、この画像全体での(いろいろな意味での)フラットさは、単独構図での撮影はもちろん、モザイク合成を行うような場合にも◎です。一切つなぎ目の分からないモザイク合成…も不可能ではありません。これまでのすべてのTOAシリーズ鏡筒に適合するのも嬉しいですね。最高の眼視用鏡筒であるTOAシリーズを、このTOA-645フラットナーで最高の撮影用鏡筒に変身させましょう!

 

 

35フラットナーとの使い分けについて】

TOAシリーズに対応する現行のフラットナーはもう一つ「TOA-35フラットナー」があります。こちらと今回のTOA-645フラットナーは上下関係というよりも相補的な関係にあります。

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◆35フラットナー(イメージサークルΦ40mm)の魅力

・フラットナーから焦点面までの設計距離が長いので、撮影だけでなく天頂ミラー等を併用した眼視にも使える

・2インチ差し込みで組み換えが簡単

・エクステンダーED1.5×と組み合わせて使うこともできる

・TSAシリーズにも使える

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◆645フラットナー(イメージサークルΦ60mm)の魅力

・圧倒的な結像性能と周辺光量の豊富さ

 

「さまざまに使いやすい35フラットナー」と「写真性能最強の645フラットナー」とも言えるでしょうか。用途に応じて使い分けていただけるラインアップかと思います。

 

TOA-645フラットナー併用時に、フジGFXを取り付けられるようにするオリジナルリングもご用意しています!

 

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タカハシ工場勤務の先輩Tさんの作品です! TOA-130NS + TOA-645フラットナー + Canon EOSRa (ISO-3200, 600s×20枚)

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上の画像の1枚撮って出しです。



 

※今回は本ブログの作例としては初めて冷却CMOSカメラを使った画像でご紹介いたしました。今回の作例写真がいつもよりクオリティが高く感じるのはそのおかげもあると思います。冷却CMOSカメラのご紹介はまた別の記事で詳しく書く予定です。なおスターベース東京で冷却CMOSカメラをご購入いただいた方には、撮影を手厚くサポートするスタッフ特製のマニュアルが付属します!

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(クイズの答え)

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白枠の箇所でした!