スターベース東京のブログ

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【FC-100DC + 76Dレデューサー】 540mm f/5.4、APS-Cまでの範囲ならシャープに写せます!

 

タカハシ FC-100DC鏡筒は10cm/2枚玉フローライトアポクロマート鏡筒で、本体約2.8kg(ファインダー込みで3.1kg)という軽量さが魅力です。眼視やFC/FSマルチフラットナー1.04×での撮影に力を発揮する高品位な中口径屈折望遠鏡として、2013年の発売から9年以上に渡り人気機種であり続けています。

 

「軽量で良く見える・良く写る」が魅力のFC-100DC鏡筒ですが、小型接眼体を採用しているために、大型接眼体バージョンのFC-100DFやFC-100DZとは異なり高性能なFC-35レデューサー0.66× を使用できないという側面がございます。(※こちらのリングを使えば取り付けが可能になりますが例外的です)

 

FC-100DCには公式では76Dレデューサーが適合します。イメージサークルはφ30mmでAPS-Cセンサーくらいまでに対して周辺まで良像となります。今回はAPS-Cセンサーの冷却CMOSカメラ ZWO ASI2600MC Pro と 強力なワンショットナローバンドフィルター OPTOLONG L-eXtreme フィルターを使用して撮影した結果をご紹介いたします。

 

網状星雲(NGC6960) FC-100DC+76Dレデューサー+L-eXtreme+ASI2600MC Pro
(1分露出×120枚)

 

上の1枚画像です。(ストレッチ処理のみ)

 

リング取り付け図。ドロチューブ後端 → カメラ回転装置(SKY90) → 76Dレデューサー → カメラマウントDX-60W

 

76Dレデューサーは、FC-100Dシリーズ鏡筒に組み合わせれば約0.73倍の縮小効果が得られ、APS-Cくらいまでの範囲で良好な結像性能を示します。FC-100DC鏡筒にはベストマッチのレデューサーです。

 

 

大型接眼体を持つFC-100DF/DZの場合も、価格面において76Dレデューサーのメリットは大きいと思います。より大型のFC-35レデューサー0.66×と比べるとイメージサークルが狭く(Φ44mm vs φ30mm)スポットダイアグラムの結像も一回り大きめですが、実際の撮影では今回ご紹介したようにAPS-C全面でシャープな像を結びます。それでいて価格は3分の2以下です。 ※カメラマウントは除く

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■FC-100DF/DZにFC-35レデューサー0.66×を取り付ける場合

カメラ回転装置(TSA-102) + FC-35レデューサー0.66× + CAリング100/102

3点合計 127,050円(税込 / 2022年8月現在)

 

■FC-100DF/DZに76Dレデューサーを取り付ける場合

カメラ回転装置(TSA-102) + M75-M55.9変換リング + 76Dレデューサー

3点合計 81,840円(税込 / 2022年8月現在)

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名称のためもあってか、FC-100Dシリーズ鏡筒用としてはあまり注目されてこなかった76Dレデューサー。最近の小型センサーでの撮影にはベストマッチです!

 

 

~~本編はここまでです~~

 

 

カタログ掲載写真より。記事本編とは関係ありませんが、FC-100DCは小型経緯台と組み合わせた気軽な星空観察にも very good です!

 

この記事でご紹介した作例でも使用している OPTOLONG L-eXtremeフィルター。 HαやOⅢで光る対象を市街地から撮影するのにぜひお勧めです!こちらの記事でご紹介しているように、背景の明るさをノーフィルター時の1/10以下に減じる超強力なカット効果があり、東京23区内などの光害地からもコントラストの高い星雲撮影ができます。あわせてご検討ください。