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FSQ-80FCの光学性能レビュー【その2】 高い総合性能を追求した鏡筒です!

今回はレビュー記事の第2回として、FSQ-80FCの魅力を撮影・眼視の両面からご紹介します。

 

魅力その1:隅々までシャープな星像

フルサイズ周辺まで、フラットナー不要で鋭い星像が得られます。

FSQ-80FC最大の魅力のひとつは、追加のフラットナーに頼らず、最初から高品位な星像が得られることです。単独でフルサイズ最周辺まで(正確にはそれ以上のイメージサークルΦ50mmにおいて)きわめてシャープな星像が得られるため、撮影用鏡筒としての完成度はとても高いと感じます。まずは作例写真をご覧ください。

FSQ-80FC 作例写真

オリオン座三ツ星付近
FSQ-80FC + ZWO ASI6200MC Pro
3分×84枚 総露光時間4時間12分

FSQ-80FCで撮影したオリオン座三ツ星付近の作例です。BlurXTerminator(BXT)は使用していません。鏡筒そのものの性能として、非常に高いシャープネスを示しています。

鏡筒の収差特性が優れていると、以下のような利点があります。

  • 微光星までシャープに写るため、星数の多い天の川の中にある星雲や、散開星団を含む複雑な領域でも描写が明瞭になる
  • 「星以外」の星雲部分も、同様にシャープかつハイコントラストに描写できる
  • 強い補正処理に頼らずに済むため、星の色や微妙な階調を損ねにくい

 

6200万画素のFITS画像をそのまま掲載するのは難しいため、レベル調整の異なる2枚を、元画像から50%に縮小したJPEG画像で掲載します。

コンポジット・カブリ補正・色調整まで終えた画像。星のシャープネスを見やすいようにレベル調整しているため高輝度部は白飛びしていますが、実際の画像処理では白飛びを保護しつつ強調を進めます。

白飛びを保護しつつ階調調整(ストレッチ)まで進めた状態です。ここから淡い構造を強調したものが、先ほどの完成画像になります。

※これらの画像は、PCでは右クリック→「リンクを新しいタブで開く」(Windowsの場合)、スマートフォンでは保存して拡大することで大きくご覧いただけます。

 

魅力その2:豊かな周辺光量がもたらす「綺麗」な星像

周辺光量の豊富さにより、構図周辺の明るい星の形が崩れにくいのが特長です。

現代の天体写真は画像処理ソフトウェアの進歩が著しく、ノイズ低減や、シーイング・収差によって肥大した星像の補正がしやすくなっています。

しかし天体写真の「写り」には、スポットダイアグラムで表現されない波動光学的な「星像の"裾"の広がり方」も重要です。

特に、いわゆる星割れ(→こちらの別記事をご参照ください)に関しては、画像処理で効果的に修正する方法がまだ限られていると感じます。だからこそ、天体写真用の鏡筒には、星割れを極力生じないように「周辺光量が豊富であること」が重要です。

 

FSQ-80FCは鏡筒外径95mmという扱いやすいサイズ感を保ちながら、有効口径とF値のバランスを丁寧に整えることで、周辺光量に十分な余裕を持たせた光学系となっています。中心と比較した光量はAPS-C周辺で99%、フルサイズ周辺でも97%で、これは昨今のアストログラフと比較してもかなり優秀な数値です。これによって構図周辺の明るい星まで円形にきれいに写し取りやすくなっています。

FSQ-80FCは

「鏡筒外径95mmの扱いやすさ」を堅持する

・幾何光学的な収差補正を追い込んで、星像を超シャープにする

・周辺光量の豊富な設計として、波動光学的な星像の"裾の広がり方"にも配慮する

という3点のバランスを突き詰めて、現実的にきわめて優れた性能バランスを実現した鏡筒に仕上がっていると感じます。

 

 

魅力その3:とにかくクリアな眼視性能!

眼視でも非常に完成度が高く、収差をほとんど感じません。

FSQ-80FCは撮影性能だけでなく、眼視用として選んでも満足度の高い鏡筒だと感じます。眼視ストレール比(設計値)は99.7%で、ほぼパーフェクトな値です。TOAシリーズ鏡筒を所有しているスタッフ複数名が実際に覗いてみましたところ、内外像はほぼ完璧な対象で、内外像を含めて鏡筒光学系に由来すると思われる色収差は感じられず、自然な発色で非常にクリアな見え味でした。5枚玉の望遠鏡ではありますが、3枚玉のTOAシリーズを思わせるような、望遠鏡を覗いていることによるコントラスト低下を感じさせない、気持ちの良い見え味です。見え味については、「特にコメントすべき欠点が見当たらない」という最大級の賛辞を贈りたいと思います。

すでに眼視用としてご購入くださったお客様からも、見え味について大変好意的なコメントを頂戴しています。

FSQ-80FCは、撮影用としてだけでなく、眼視用として選んでも高い満足感が得られる鏡筒です。日々扱いやすいコンパクトな屈折望遠鏡でハイレベルな見え味を妥協せず求めたい方にも、自信を持ってお勧めできます。

 

●最良の見え味を堪能するために

FSQ-80FCは鏡筒本体の収差がきわめて少ないのが特長です。この鏡筒の高倍率性能をより堪能していただくためには、まずはTOE-2.5mmなどの良質な短焦点アイピースを単独でお使いいただくのがおすすめです。鏡筒そのものの持つ、クリアでシャープな見え味を素直に味わっていただけると思います

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●天頂プリズムの使用について

FSQ-80FCのシステムチャートには

天頂プリズム31.7MCは、対物レンズとの相性により弊社が推奨する眼視性能に満たないため非推奨とします。

という注釈があります。一般に天頂プリズムは色分散を生じるため、「F値が明るく、かつ単体で完璧な収差補正が施された鏡筒」へ使用すると、天頂プリズムに由来する色分散が可視化されることもあります。このブログ記事を書くにあたり、敢えてメーカー推奨に反して天頂プリズム31.7MCを使用し、実際に観察してみました。

結論から申し上げると、FSQ-80FCでは天頂プリズム31.7MCの使用によって、本来の性能を活かしきれない印象でした。

  • 50倍程度では、焦点内外像で色合いが変わることに気づきます。
  • TOE-2.5mm(180倍)では、焦点内像が青、焦点外像が赤茶系に明らかに色づき、ベストピント位置でも青と赤の色にじみがちらつきます。

それでも、色ごとの球面収差自体はよく補正されたままなので、総合的には単焦点アクロマート鏡筒などよりはるかに良く見える印象です。ただし、FSQ-80FC本来の光学性能を味わうという点では、適した組み合わせとは言いにくいと感じます。

FSQ-80FC鏡筒で高倍率眼視を重視する場合は、システムチャート通りに天頂ミラーの使用をお勧めします。

※天頂プリズムにはプリズムならではの良いところもあるので、いずれまとめてご紹介したいと思います。これについては今後の別記事をご期待ください!

タカハシ純正「天頂ミラー50.8」を使用した図。FSQ-80FCで素晴らしい眼視体験をお楽しみください!

 

まとめ:

いかがでしょうか。FSQ-80FCは撮影重視の方はもちろん、眼視性能にも妥協したくない方、そして長く付き合える高性能な一本をお探しの方にとって、たいへん魅力的な選択肢です。単に「性能の良い鏡筒を買う」のではなく、「長く満足できる一本を選ぶ」という観点でも、自信をもっておすすめしたい製品です。

ご検討中の方はぜひお気軽にご相談ください。

 

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