◇概要
FSQ-85EDP("P"なしも同じ)は焦点距離450mm / F5.3 の鏡筒です。写真撮影向きの鏡筒ではありますが、実は眼視用にも好適です。眼視での中心像はヌケがよくシャープで、TOEシリーズアイピースを使っての月面・惑星観望も十分対応できるほか、低倍率で月面の場所ごとの色の違いを眺めるのにも向いています。
本記事では直焦点時の写真性能について、実写画像をもとに見ていきたいと思います。
中心像は文句なくシャープで、APS-C最周辺ではわずかに円周上に星像が流れ始めますが、ここまでであれば実用上点像といってよいでしょう。35mmフルサイズ最周辺の星像の伸びは、本テスト機では画像左下で目立ちますが、これはA3ノビにプリントした画像では実長さで1mm未満で、等倍画像で見ない限りほとんど気にならないでしょう。それよりも、画面全域にわたり色ハロのない素直な星色表現に注目してください。
フルサイズ最周辺での星像の円周上ノビが気になる可能性があるのは
・モザイク合成するとき(境界部で星の形が変わる)
・星を小さくする処理を掛けるとき(伸びた星像を小さくすると線状になってしまう)
くらいだと思います。そのような場合は「フラットナー1.01x」の併用をご検討ください。