スターベース東京のブログ

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天頂ミラー/プリズムに新しい選択肢が登場! 【天頂プリズムコレクター】のご紹介です

先日、タカハシから発売された「天頂プリズムコレクター」。

コレクターレンズといえば、天体望遠鏡の「周辺像を補正」するものや、双眼装置の「光路長を補正(短縮)」するものがあります。しかし、本製品はそれらとは異なり、天頂プリズムを使用した際に「変動した収差を補正」して鏡筒本来の見え味を取り戻すという、少し特殊な立ち位置の製品です。

「どういうこと……?」「何が良いの……?」と疑問に思われる方もいらっしゃることでしょう。

今回のブログ記事では、天頂プリズムを使用すると鏡筒の見え味がどのように変化するのか、そして天頂プリズムコレクターがどのような役割を果たすのか、その仕組みとメリットを詳しくご紹介いたします。

新製品 天頂プリズムコレクター

「天頂ミラー」と「天頂プリズム」の違い

天体望遠鏡で天頂付近の天体を観察するとき、接眼部をそのまま覗こうとすると、顔が真上を向く無理な姿勢になってしまうことがあります。そこで、光路を約90度折り曲げて楽な姿勢で観察できるようにするのが天頂ミラーや天頂プリズムです。

以前の記事では、天頂ミラーと天頂プリズムの仕組みや、それぞれの特性について詳しくご紹介しました。

starbase.hatenablog.jp

製品ごとに多少の違いはありますが、両者の基本的な性質は次のように整理できます。

  • 天頂ミラーは、鏡筒がもともと持っている収差に影響を与えにくい一方、多くの場合で反射面の状態や清掃、長期的な経年変化に注意が必要。
  • 天頂プリズムは、反射にガラス内部の全反射を利用するため長期安定性や清掃性に優れる一方、収束光が厚みのあるガラスを通過するので収差バランスを変化させる。

ここで大切なのは、天頂プリズムによる収差変動が必ずしも悪い方向へ働くわけではないということです。鏡筒がもともと持っている収差と、天頂プリズムによって加わる収差がうまく打ち消し合い、天頂プリズムを使用したほうが良好な見え味になる場合もあります(FS-60CB鏡筒など)。

一方で、色収差の生じない反射望遠鏡や高性能な屈折望遠鏡など、鏡筒単体ですでに高度な色収差補正が施されている場合には、天頂プリズムを使用することで色収差が増大するように見えることがあります。低倍率で星雲や星団を眺める場合には気にならない程度でも、月面や惑星、重星などを高倍率で観察すると、ベストピントの像の鋭さや焦点内外像の色づきの変化として気づくことがあるでしょう。

この収差変動をできる限り打ち消し、天頂プリズムを使用しながら、直視時に近い収差状態で観察できるように開発されたのが天頂プリズムコレクターです。

天頂プリズムコレクターの役割

天頂プリズムコレクターはタカハシの「天頂プリズム31.7MC」の鏡筒側先端へねじ込んで使用する補正レンズです。

天頂プリズム31.7MCへ取り付けた様子

天頂プリズム31.7MCによって生じる色収差の変動とは反対方向の収差を、コレクター側であらかじめ発生させます。天頂プリズムと天頂プリズムコレクターの収差が互いに打ち消し合うことで、天頂プリズムを使用していない直視時に近い収差状態へ回復します。

 

遠景による実写比較

FCT-65D鏡筒 + TOE-2.5mm 58° + 天頂プリズム31.7MC の組み合わせで、アイピースにスマートフォンのカメラレンズを手持ちで近づけ、焦点像および焦点内外像を撮影しました。

撮影の様子。以下では避雷針の先端部をトリミングして比較します。

手持ち撮影のためブレはご容赦ください。背景色が異なるのは雲の通過によるものです。

天頂プリズムコレクターを使わない場合では、天頂プリズムの作用によって、焦点内像で青、外像で赤色のにじみが点像の外側へ見られます。焦点像では色付きはあまり感じませんが、青も赤も「ややピンボケ」で、緑色系だけしっかりピントが合っている状態なので、星像のキレ・シャープさ・ヌケのよさという意味では直焦点時と差が生じています。

しかし天頂プリズムコレクターを併用すると、これらがほぼ取り除かれて、焦点内外像ともに色付きをほとんど感じません。FCT-65D鏡筒の直焦点に近い、すっきりとした印象です。焦点像もキリリとしています。

この結果はメーカー資料と一致します。こちらをご参照ください。

天頂プリズムコレクター使用時の収差比較(FCT-65D)

上記のスポットダイアグラムは点像(恒星像)をイメージしたシミュレーションですが、月や惑星といった面積を持つ対象についても効果を感じられます。以下は先ほどと同じ撮影機材で、遠方の避雷針(支柱)を撮影したものです。背景(青空)と対象(柱)の明暗の境界に色づきが見られますが、天頂プリズムコレクターを使用すると大幅に改善されます。

天頂プリズムコレクターを使用しない場合、内像で寒色系、外像で暖色系の色づきが見られます。天頂プリズムコレクターによってこれがほぼゼロになっています。

月や惑星を観察する際は、いきなりベストピントになっているのではなく、実際には内側から、あるいは外側からピントを合わせていきます。そのとき、背景と対象の明暗境界に色づきが感じられるのとそうでないのとでは、心理的な「気持ちよさ」にも差があると思います。天頂プリズムコレクターは、焦点像の差だけでなく、こうした「天体観察体験そのもの」の質を向上する効果もありそうです。

 

天頂プリズム31.7MCと天頂プリズムコレクターの組み合わせは、

「鏡筒本来の見え味へできる限り近づけながら、天頂プリズムの長期安定性や扱いやすさも活かしたい」

という方に向いた選択肢なのです。

 

タカハシのダイアゴナルを目的別に整理すると

天頂プリズムコレクターの発売によって、タカハシの眼視用ダイアゴナルは、目的に応じて次のように選べるようになりました。

(1)31.7mmアイピースを使用し、適合鏡筒の収差状態を直視時に近づけたい
天頂プリズム31.7MC天頂プリズムコレクター

(2)31.7mmアイピースを使用し、天頂プリズムによる収差変動を光学的に活用したい
天頂プリズム31.7MC 

(3)50.8mmアイピースも使用し、鏡筒本来の収差バランスをなるべく変えたくない
天頂ミラー50.8

(4)複数の31.7mmアイピースを素早く交換しながら観察したい
四頭ターレットレボルバー

これらは単純な性能上の上下関係があるわけではなく、目的に応じて適したものをお選びいただければと思います。ご検討に際してご不明な点がありましたらお気軽にお問い合わせくださいませ。

★タカハシ製品は弊店以外にも各販売店様でご購入いただけます!★

 

現品の様子をご紹介します

ここからは実際に入荷した天頂プリズムコレクターの様子をご紹介いたします。

商品はこのような梱包状態で入荷しました。

入荷時の梱包

緩衝材を取り除くと、これまでのタカハシ製品ではあまり見られなかった、透明なケースが姿を現します。

パッケージ正面

裏側も見てみましょう。

パッケージ裏面

側面から見ると、コレクターが透明なフィルムに挟まれ、ケースの中央に浮いているように保持されていることが分かります。

パッケージ側面

輸送中にコレクターが動きにくく、レンズの縁や光学面へ直接衝撃が加わりにくい梱包です。

光学面もフィルムによって両側から覆われているため、工場出荷時のきれいな状態を保ったままお届けできそうです。

前後用のポリキャップは付属しませんが、ケースには3方向に開き止めのツメがあり、保管ケースとして繰り返し使用できます。

天頂プリズム31.7MCへ取り付けた状態

天頂プリズム31.7MCへ取り付けた状態がこちらです。

天頂プリズム31.7MCに取り付けた状態

コレクターを天頂プリズムへ取り付けたままキャップをする場合は、別売の「ポリキャップ」の【30mm】が適合します。

ケースへ戻さず、天頂プリズムへ取り付けたまま運用する方は、ホコリや接触から光学面を守るため、キャップの併用をおすすめします。

鏡筒側のメスネジについて

天頂プリズムコレクターの鏡筒側にはメスネジが切られており、ネジ規格上は一般的な31.7mmフィルターを取り付けられます。

ただし、フィルター側のオスネジが長い場合はコレクター内部のレンズ押さえ部品などへ接触し、レンズを圧迫する可能性があります。この位置へのフィルター取り付けは、弊店の立場からは積極的にお勧めするものではありません。

ご使用前にご確認ください

●鏡筒側への差し込み部分が長くなります

天頂プリズムコレクターを取り付けると、天頂プリズム31.7MCの鏡筒側スリーブは、コレクターを含めて約38mmの長さになります。

通常の接続では問題になりにくい長さですが、鏡筒側スリーブの奥にコンバージョンレンズなどが配置されている場合は、相手方との物理的な干渉にご注意ください。

天頂プリズムコレクター取り付け時の鏡筒側スリーブ長

※オルソエクステンダー2×、オルソエクステンダー4×は、それぞれシステムチャートどおりの順序で接続すれば、天頂プリズムコレクターと干渉しないことを当店で確認しています。2×オルソバローに対しては差し込めません。

●取付に際して

天頂プリズムコレクターはM28.5ネジで天頂プリズムへねじ込みます。市販の天頂プリズムのうち、鏡筒側先端にM28.5のフィルターネジが切られている製品には、物理的に取り付けられる場合があります。しかし天頂プリズムコレクターは、タカハシの天頂プリズム31.7MCに使用されているプリズムの材質や光路長、スリーブとプリズムの位置関係に合わせて設計されていますので、確実な効果を得るためにはタカハシ製の天頂プリズム31.7MCと組み合わせてご使用くださいませ。

まとめ 天頂プリズムと天頂ミラーの間に生まれた新しい選択肢

昨今の天体望遠鏡市場では撮影用機材が注目される機会が増えていますが、接眼レンズを覗き、天体から届いた光を自分の眼で確かめる眼視観察には、撮影とは異なる楽しさがあります。

タカハシでは天体望遠鏡づくりにおいて、「天体望遠鏡の第一の性能は眼視」という原点を大切にして、「直視での見え味」を基本的な主軸としています。今回発売した天頂プリズムコレクターは、天頂プリズム使用時であっても直視のような見え味を得られるように、タカハシが新たにご用意した答えです。ぜひご検討ください!

日本製で高品質! スターベースオリジナル「屈折用バッグ」のご紹介

 望遠鏡をご購入いただいたお客様から、「使わないときは、どうやって保管したらいいですか?」「観察や撮影に出かけるときは、皆さんどうやって運んでいますか?」というご質問をよくいただきます。

 鏡筒はそのまま置いておくには少し心配ですし、観察場所まで運ぶ際には、車内でほかの荷物とぶつからないようにしたいところです。一方で、ハードケースは大きく重く、鏡筒バンドやプレートを取り付けた状態では収納できないこともあります。

 そこでおすすめしたいのが、当店オリジナルの「屈折用バッグ」シリーズです。

 望遠鏡や天体観測機材の保管・運搬を想定し、国内で一つひとつ手作業で丁寧に縫製された日本製バッグです。今回は、シリーズに共通する特長と、SS・S・M・Lの各サイズに実際に収納できた機材をご紹介します。

屈折用バッグの特長

シンプルなデザイン、安心の日本製です

スターベースオリジナル 屈折用バッグSS FS-60CBモノクロ冷却システム

画像は筆者イチオシの屈折用バッグSS
コンパクトでかわいらしく、電車などでも持ち運びやすい点が気に入っています。

 スターベースオリジナル「屈折用バッグ」は、望遠鏡や天体観測機材の持ち運びを考えて製作された国産ソフトバッグです。当店スタッフの「こんな望遠鏡を収納したい」「こんなサイズ感がいいな」という思いを形にした、まさに天体望遠鏡のための専用設計品です。しっかりとした作りで大切な機材の持ち運びにお使いいただけます。

用途に合わせて選べる4サイズ

屈折用バッグSS・S・M・L

手前からSS・S・M・Lサイズ

 サイズは、SS・S・M・Lの4種類をご用意しています。

 SS・S・Mサイズは、上面を除く各面にウレタンシートが入っており、移動中に生じる軽い衝撃や振動などから大切な鏡筒を守ります。

 Lサイズには、少し硬めの約1cm厚のウレタンを使用しています。大型の屈折鏡筒や、鏡筒と架台をまとめて収納する用途にも対応できる、しっかりとした作りです。

 鏡筒の長さや直径だけでなく、鏡筒バンド、プレート、ファインダーなどを取り付けた状態での大きさも考慮してお選びください。サイズに迷われた際はお気軽にお問い合わせください。

スターベースオリジナル屈折用バッグ対応表
屈折用バッグ対応表 画像をクリックすると拡大します

 ※FCT-65D鏡筒と並べてみました。各バッグのおおよその大きさの参考としてください。

ハードケースよりも気軽に持ち運べます

 ソフトバッグは比較的軽く、使わないときはフックなどに掛けておけるため、保管場所を取りにくいのも魅力です。自宅での保管や、自宅から車までの運搬、車に積んで観察場所へ移動するといった日常的な用途に便利です。

安全にお使いいただくため、以下の点にご注意ください

・本製品はソフトバッグです。落下や強い衝撃から機材を完全に保護するものではありません。

・バッグの中で機材が動く場合は緩衝材の併用をお勧めします。

・本製品は防水仕様ではありません。

・合焦ハンドルに強い力や継続的な負荷がかからないよう、機材の向きや収納位置にご注意ください。

望遠鏡以外の機材にも使用できます

 「屈折用バッグ」という名称ですが、収納するものは屈折望遠鏡に限りません。サイズが合えば、三脚、架台、小型鏡筒、ガイド鏡など、さまざまな機材の収納に使用できます。特にMサイズやLサイズは長さがあるため、細長い観測機材や複数の機材をまとめるバッグとしても便利です。

屈折用バッグSS

屈折用バッグSSの特長

スターベースオリジナル 屈折用バッグSS

外寸:長さ48cm × 最大幅12cm × 高さ18cm
質量:約250g
収納例:FS-60CB、FCT-65D、FSQ-80FC ほか
価格:9,000円(税込)

 小型鏡筒に適した、シリーズ最小サイズです。筆者は鏡筒ではなく「撮影用品小物一式」をざっと収納・運搬するのにも愛用しています。

 高さが控えめなので、各種機材のフィット感が良くバッグの中でぶかぶかになりにくい点も気に入っています。

屈折用バッグSSの収納例

屈折用バッグSSにFCT-65D鏡筒を収納した例

 FCT-65D鏡筒は、マルチレデューサーとZWO ASI294MC Proクラスの冷却カメラを取り付けたまま収納できました。ASI183シリーズ、ASI533シリーズ、ASI585シリーズなど、同程度の大きさのカメラも収納の目安となります。

屈折用バッグSSにFSQ-80FC鏡筒を収納した例

 FSQ-80FC鏡筒も収納できました。ただし、カメラを取り付けたまま収納することは難しいため、その場合はSサイズをおすすめします。

屈折用バッグSSの商品ページを見る

屈折用バッグS

屈折用バッグSの特長

スターベースオリジナル 屈折用バッグS

外寸:長さ58cm × 最大幅15cm × 高さ27cm
質量:約400g
収納例:FSQ-85EDP、FSQ-106EDP
価格:10,000円(税込)

 FSQ-85EDPやFSQ-106EDPクラスの、比較的短く太さのある鏡筒を収納しやすいサイズです。高さに余裕があることが特長で、鏡筒バンドやプレートなどを取り付けたまま収納できる組み合わせがあります。

屈折用バッグSの収納例

屈折用バッグSにFSQ-85EDP鏡筒を収納した例

 FSQ-85EDP鏡筒のフラットナー接続時は、鏡筒バンド95S-GTやKBプレート、GT-40、デジタル一眼レフカメラを取り付けた状態でも収納できました。FSQ-106EDPは、ファインダーを取り外した状態で収納できました。

屈折用バッグSにFSQ-80FC鏡筒を収納した例

 FSQ-80FC鏡筒の直焦点接続時は、鏡筒バンド95WBやブリッジプレート100、ファインダー部の「30F5 Mini Guide Scope」、マイクロフォーサーズの冷却CMOSカメラを取り付けた状態で収納できました。余裕があるので、フルサイズのカメラでも収納可能です。

 また、別売の屈折用バッグS用中仕切りを使用すると、バッグ内部を上下に分けられます。鏡筒と小型三脚など、複数の機材をまとめて収納したい場合にも便利です。

屈折用バッグSの商品ページを見る

屈折用バッグM

屈折用バッグMの特長

スターベースオリジナル 屈折用バッグM

外寸:長さ83cm × 最大幅16cm × 高さ23cm
質量:約500g
収納例:FC-100D、メタル三脚SE、同程度の長さの細長い機材
価格:11,000円(税込)

 FC-100DCやFC-100DFクラスの、細長い屈折鏡筒に適したサイズです。鏡筒だけでなく、同程度の長さがある三脚などの収納にも使用できます。

屈折用バッグMの収納例

屈折用バッグMにFC-100シリーズを収納した例

 FC-100DZは、タカハシの2本組鏡筒バンド、トッププレート、6×30ファインダーを取り付けた状態で収納できました。

屈折用バッグMにメタル三脚SEを収納した例

 写真は「メタル三脚SE」を収納している様子です。ベストマッチです。

屈折用バッグMの商品ページを見る

屈折用バッグL

屈折用バッグLの特長

スターベースオリジナル 屈折用バッグL

外寸:長さ106cm × 幅16cm × 高さ26cm
質量:約760g
付属品:着脱式中仕切り
収納例:TOA-130NS鏡筒、TSA-120鏡筒、TSA-120N鏡筒、FC-100DL鏡筒、STARBASE80の鏡筒・架台・付属品、EM-11とメタル三脚SE
価格:13,000円(税込)

 大型の屈折鏡筒や、鏡筒と架台をまとめて収納したい場合に適した大型バッグです。内部には着脱しやすい大型の中仕切りが付属しており、機材同士が直接触れにくいよう、バッグ内部を分けて収納できます。

屈折用バッグLの中仕切り使用例

屈折用バッグLの中仕切り使用例

 TOA-130NSやTSA-120などは、ファインダーを取り付けた状態でも収納できました。STARBASE80は鏡筒と架台の一式をまとめて収納できました。

 EM-11とメタル三脚SEなど、赤道儀と三脚をたたんで接合した状態でも収納できる場合がありますが、その状態での長距離移動は故障の原因となる可能性があるため、おすすめしていません。

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サイズ選びに迷ったときはお気軽にご相談ください

 収納する機材に対してバッグが大きすぎると、内部で機材が動きやすくなります。反対に寸法に余裕がない場合は、鏡筒バンドや各種アクセサリーが干渉して収納できないこともあります。サイズ選びに迷われた際は、収納したい機材の名称と取り付けたまま収納したい部品をお知らせください。スターベース東京のスタッフが、可能な範囲で収納方法をご提案いたします。

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まとめ

 ここまで、屈折用バッグの魅力をお伝えしてきました。機材をあらかじめバッグにまとめておけば、観察や撮影に出かける際の準備もスムーズになります。気軽な天体観察から遠征時の機材運搬まで、幅広く活用できる国産のスターベースオリジナルバッグです。

 望遠鏡の保管や運搬方法にお悩みの方にとって、屈折用バッグが選択肢のひとつになれば幸いです。

FCT-65D鏡筒の魅力をご紹介!眼視も撮影もハイレベルに堪能できるコンパクト鏡筒です!

FCT-65D鏡筒 / 鏡筒バンド95WB、アリガタ220B、ブリッジプレート100を取り付けた状態。

2024年9月に発売したFCT-65D鏡筒は、発売から現在に至るまで多くのお客様にお選びいただいております。本鏡筒については以前にも弊店ブログにてご紹介しましたが、マルチレデューサー0.85×-Mと組み合わせた場合の紹介が中心でした。ですが、この鏡筒の良さはそれだけではありません!
ということで今回はFCT-65D鏡筒の魅力を

【 コンパクトさ / 眼視性能 / 撮影の幅広さ 】

と様々な角度から余すところなくご紹介していきます。

1. コンパクトさ=運用のしやすさ!!

FCT-65D鏡筒は、焦点距離400mm・口径65mm・本体約1.9kgのコンパクトな屈折望遠鏡です。高い光学性能を備えながら携帯性にも優れており、観望や撮影を思い立ったときに気軽に持ち出せます。使う機会を増やしやすいことは、FCT-65Dの大きな魅力です。

FCT-65D鏡筒のサイズ感はこのようになります。FCT-65D鏡筒は対物レンズのフード外径が80mmなのに対して中間の鏡筒外径は95mmと膨らんだ構造をしています。これは、大型の「65D FUレデューサー0.65×」を鏡筒内部に収めるための構造です。鏡筒バンド95WBを取り付けると外観もバランスよくまとまり、確実な保持を求められる撮影システムとしても安定して運用できます。

 

 

FCT-65D鏡筒には標準でカメラ回転装置Sが付属し、その後ろに50.8アダプター(FCT-65D)31.7アイピースアダプターなどが付いており、これら一式の全長は403mmとなっています。接眼部のリングを全て外すと、鏡筒本体の長さ(筒先から接眼体後端まで)は約284mmしかありません。

撮影で使用する場合では各種コンバーションレンズや接続リング/カメラ等に組み替えますが、その状態でもたいへんコンパクトな印象を受けます。

ほとんどの眼視/撮影のシステムであれば屈折用バッグSSに収まりますし、FC/FSマルチフラットナー1.04× ~カメラまでの一式をすべて装着した状態でも屈折用バッグSに収まる大きさです。
(カメラは当店展示品のZWO ASI294MC Pro を使用しております。カメラの大きさによって全長が多少前後いたしますのでご注意ください。)

よりコンパクトさを感じていただくため、サイズ感をほかの鏡筒と比較してみました。FC-76DCUやFSQ-85EDPと並べても、FCT-65Dのコンパクトさがよく分かります。


レンズだけでなく、接眼部までこれだけしっかりした造りをしていながらわずか1.9kg、鏡筒バンド込みでも3kgに収まります。これだけ軽いと、搭載重量の控えめな小型赤道儀でも安定して扱うことができます。当店ネットショップではそのような特徴を活かして、軽量かつコンパクトにまとまったフルセットをご用意しています。
スターベースオリジナル 成澤広幸先生おすすめ! FCT-65D撮影&眼視フルセット

 

2. すっきりとした、収差のほとんどない美しい像!

 

FCT-65Dはフローライトレンズを含む3群3枚のレンズ構成で、色収差や球面収差がたいへんよく補正された鏡筒です。眼視ストレール比は97.5%とTSA・TOAシリーズに匹敵する値です。

月や惑星、重星など、シャープな結像と高いコントラストを活かせる対象では、FCT-65Dの優れた光学性能を存分に楽しめます。特に、極限のシャープさが求められる月面の細かな起伏や木星の模様、土星の環など、輝度の高い天体に見られる微妙な濃淡や色合いの観察に適しています。背景がストンと暗く引き締まり、天体の輪郭は焦点内外像を含めて色づきをほとんど感じません。スタッフの第一印象は「え、こんなに良く見えるの…!?」でした。

遮蔽物のない屈折光学系ならではの、すっきりとした回折像もFCT-65Dの魅力です。実際にのぞいてみると、ピントの芯がはっきりと分かるシャープな像と、対象が背景からすっきりと浮かび上がるようなコントラストの高さが印象に残ります。重星の高倍率観察では色ハローの無い恒星像と、そこに生じるディフラクションリングが綺麗です。

天体望遠鏡は口径や光学形式によって、それぞれ得意とする観望対象や運用方法が異なります。FCT-65Dは、設置や撤収の負担が少なく、短時間の観望でも気軽に持ち出せるため、高い眼視性能を日常的に楽しみやすい鏡筒です。

 

球面収差図からも球面収差や色収差の少なさを見て取れますが、実際にのぞいてみると像のクリアさに驚かされます。「見え方の違い2」で図解しているように、鋭いピントや内外像の色付きの少なさにも、FCT-65Dの高い眼視性能が表れています。

高倍率観望では、FCT-65Dの良好な中心像を活かせる拡大系を選ぶことが重要です。収差や散乱光、ゴーストを抑えた高品質なバローレンズや、短焦点の高品質なアイピースと組み合わせることで、FCT-65Dならではのクリアでシャープな像を保ちながら倍率を高められます。

そのため、高倍率を得たい場合は「タカハシ TOEシリーズ」のように短焦点かつ高品質なアイピースを単独で使用する方法がおススメです。FCT-65Dの魅力である収差のなさ・像のクリアさを損なうことなく眼視を楽しむことができます。

また、当店の展示品を使って実際に覗き比べたところ、「テレビュー パワーメイト」は収差をほとんど感じず、中心像のシャープさを保ったまま観察できました。「タカハシ 2× オルソバロー」と「タカハシ TPLシリーズ」との組み合わせも、クリアさが印象的で良く見えました。バローレンズの品質やアイピースとの相性によっても見え方は変わります。

補足ですが、

一般的に高倍率眼視では、諸々の収差の影響が大きくなります。また、像は倍率を上げるほど暗くなります。そのため、おおまかな目安として

鏡筒の口径(mm) × 1.5~2 倍 程度が最大有効倍率とされています。 

FCT-65Dの場合 65 × 2 = 130倍 が一つの目安となりますが、

FCT-65Dは結像性能がたいへん優れているため、シーイングなどの条件が良ければさらに高い倍率でも破綻せずシャープな像を楽しめます。

TOE-3.3mmでは約121倍となり、明るさと像の大きさのバランスに優れた観望ができます。TOE-2.5mmでは160倍となり、月面や木星、土星をより大きく拡大して迫力のある観望体験ができます。スタッフの主観ですが、このような高倍率であってもコントラストやシャープネスを損なうことなく「普通に使える」という印象です。対象やその日の空の状態に合わせて倍率を選ぶことで、FCT-65Dの高い結像性能を存分に味わえます。

月 中倍率

ご自宅のベランダや近所で気軽に月を見ようと考えたとき、FCT-65Dのようにコンパクトで軽くて良く見える望遠鏡はとても魅力的です。

高倍率の眼視は、月面を見る際にもおすすめです。

月面をより拡大して見たい場合に
一般的な見掛けの視野が50度前後のアイピースの場合(タカハシ TPLシリーズなど)は、焦点距離7~8mmのアイピースで50倍程度となり月全体が見やすい大きさとなって視野に収まります。

惑星(木星・土星) 高倍率

対象の輝度が高いため、光害地でも気軽に楽しむことができます。先述のとおり、FCT-65Dのシャープさやコントラストの高さによる木星の模様や土星の環を楽しむことができます。

TOE-2.5mm」での160倍での観望や「2× オルソバロー」と「TPL 6mm」を組み合わせた133倍での観望がおすすめです。

アンドロメダ銀河 低倍率

低倍率では、広がりのある天体の観望も楽しめます。アンドロメダ銀河は、12~25倍程度の低倍率での観望がおすすめです。明るい中心核と、そこから伸びる淡い楕円状の広がりを捉えやすく、空の暗い場所では伴銀河のM32やM110も見つけやすくなります。

アンドロメダ銀河の見かけの広がりは約3度に及ぶため、全体を広く捉える場合は長焦点または広視界のアイピースがおすすめです。タカハシのアイピースでは、「TPL 25mm」(16倍)や「TPL 33mm」(12倍)などが適しています。

また、見かけ視野の広いアイピースを使用すれば、低倍率観望ならではの開放感も楽しめます。当店では、見かけ視界60度で眼鏡を掛けたままでも覗きやすい「Photon アイピース」や、見かけ視界68度で高コントラストな「バーダープラネタリウム HYPERION(ハイペリオン)アイピース」などが人気です。

 

眼視時の接続について

FCT-65Dで眼視観望を行う際は、観望スタイルに合わせて「50.8延長筒」「天頂ミラー50.8」「天頂プリズム31.7MC」などを組み合わせます。

タカハシのシステムチャートでは「50.8延長筒」、もしくは「天頂ミラー50.8」や「天頂プリズム31.7MC 」等を併用することで無限遠にピントが合うとされています。ピント位置はアイピース側の焦点面の位置にも依存するため、ご確認の上ご使用ください。

FCT-65Dのクリアな像を活かしたい場合は、色分散の影響がない天頂ミラーもおすすめです。
タカハシ 天頂ミラー50.8」ももちろんおすすめなのですが、それ以外にも当店では「笠井トレーディング GS 2インチQuartz天頂ミラー99%」「笠井トレーディング 2インチDX天頂ミラー99%」などが人気です。

天頂ミラーと天頂プリズムの違いや選び方の比較に関しては以前の当店ブログにて詳細に解説しておりますので、ご覧ください。

そして!昨日発売された「天頂プリズムコレクター」との相性も抜群です!!!

天頂プリズム31.7MCと組み合わせれば、プリズムの良さ(耐久性や耐清掃性)を得つつ、FCT-65Dの高い光学性能をほぼそのままに眼へ届けることが出来ます。

 

3. 端までシャープな撮影性能・画角/構図の幅広さ!

FCT-65D鏡筒には3つのコンバージョンレンズが用意されています。広がった天体を撮影することの多い短焦点鏡筒では、焦点距離の違いが画角に大きく影響します。そのため、コンバージョンレンズの数だけ構図づくりの幅が広がり、鏡筒の性能を最大限引き出し1本の鏡筒を末永く楽しんでいただけます。

※価格は税込みです。また周辺の接続アダプターを含みません。
詳細はシステムチャートでご確認いただくかお問い合わせください。

上の画像から、各コンバージョンレンズの画角の違いを図示したものになっています。特に「65D FUレデューサー0.65×」にした場合に画角が大きく広がることが見てわかります。これは65D FUレデューサー0.65×とフルサイズCMOSカメラにて撮影された画像をもとにコンバージョンレンズのごとの画角を計算し作成したイメージです。実際の構図とは多少異なる可能性がございます。また、APS-Cサイズなどのセンサーサイズの異なるカメラを使用した場合、画角は変わりますのでご注意ください。

65D FUレデューサー0.65×」 はFCT-65Dの焦点距離を260mmへ短縮し、F4の明るさと広い画角を実現するコンバージョンレンズです。非常に高いシャープネスを備え、広がりのある天体を短時間で効率よく撮影できます。

F4鏡筒は、単純計算でF6の2.25倍の明るさを持ちますので、淡い星雲の広がりを写し出したい場合や、限られた時間で撮影枚数を確保したい場合にも適しています。

F4という明るさと高いシャープネスを兼ね備えた、FCT-65Dならではの撮影システムです。

別売アクセサリーとしてスターベースオリジナル 対物絞り環Φ52もご利用いただけます。

FCT-65Dにこの「マルチレデューサー0.85×-M」を組み合わせると、340mm F5.2になります。

0.85倍という適度な縮小率により、画角の広さ、明るさ、周辺光量のバランスに優れた、扱いやすい撮影システムとなります。

また、周辺光量を十分に確保できるという点もメリットです。APS-Cの周辺までは減光がわずかで、その外側でも緩やかな変化に抑えられています。周辺光量が豊富で、画面周辺までシャープな星像が得られるため、フラット補正や画像処理も行いやすくなります。画像処理がどんどん進化していくこの現代で、処理技術の最大限の効力を発揮するためにもFCT-65D+マルチレデューサー0.85×-M の組み合わせは自信を持っておすすめできます。

価格/重量/画角/性能で非常にバランスの良い設計となっていますので、3種あるコンバージョンレンズの中からどれか1つだけを選ぶという場合はマルチレデューサー0.85×-Mをおすすめすることが多いです。

FC/FSマルチフラットナー1.04× 」では、焦点距離は416mmでF6.4という設計となります。RMS スポット直径は中心で約 4μm、35mm フルサイズの周辺でも約10μmとなり、APS-Cの周辺までは周辺減光がほぼありません。

35mmフルサイズ周辺まで良好な星像を結ぶ高い撮影性能を備えながら、ほかの2種類と比較して導入しやすい価格も魅力です。レンズ自体も軽くて扱いやすいため、天体撮影は初めてという方にもおすすめしやすいものになっています。

65D FUレデューサー0.65×とは画角が大きく異なるため、撮影対象に合わせて使い分けることで、1本の鏡筒で幅広い構図を楽しめます。

最初は「65D FUレデューサー0.65×とFC/FSマルチフラットナー1.04×」、または「マルチレデューサー0.85×-MとFC/FSマルチフラットナー1.04×」のような組み合わせからシステムを構築するのもおすすめです。

1本の鏡筒を、焦点距離や画角の異なる2種類、3種類の撮影システムとして楽しめる、タカハシらしい発展性の高さを備えています。

まとめ:FCT-65Dは、1本で長く深く楽しめる鏡筒です

FCT-65Dは、単に小型軽量で扱いやすいだけの鏡筒ではなく、眼視でも撮影でも高い満足感を得られる、完成度の高いフローライト鏡筒です。

そして何より、この鏡筒の良さは、実際に使う出番が多く、しかも毎回きちんと満足感があるところだと思います。

小さいからこそ持ち出しやすく、軽いからこそ組みやすい。

そのうえ、眼視でも撮影でも優れた光学性能を存分に楽しめます。

FCT-65Dは、まさに“小型高性能屈折”の楽しさを長く深く味わえる一本です。

 

詳しいスペックや商品紹介は当店ネットショップよりご覧ください。

www.starbase.co.jp

 

8月1日はスコープテック&ヒノデの日! スターベース東京にて展示販売会を開催します!

はじめての望遠鏡や双眼鏡を、メーカーの方に直接相談しながら選んでみませんか?

2026年8月1日(土)、スターベース東京の店頭にて、スコープテックの天体望遠鏡とヒノデの双眼鏡をご紹介する展示販売会を開催します。

当日は、スコープテック代表の中村さんとスタッフさん、日の出光学代表の宮野さんが来店します。

製品を実際に見ながら、

「子どもと月や土星を見てみたい」
「初めての望遠鏡は、どれを選べばよい?」
「双眼鏡は倍率が高いほどよく見えるの?」
「観劇、野鳥観察、星空観察に合う双眼鏡は?」

といった疑問をメーカーの方に直接ご相談いただける機会です。

望遠鏡や双眼鏡について詳しくない方も、どうぞ気軽にお越しください。


開催日時

2026年8月1日(土)
午前11時から午後5時まで

会場:スターベース東京 店頭

初心者の方、お子様と一緒に望遠鏡を選びたいご家族、双眼鏡を初めて購入する方も大歓迎です。

秋葉原の店舗で開催します。店内にて製品を手に取ってご覧いただけます。

ご来店いただいた方全員にプレゼント!!

イベントにご来店された方に

・スターベースオリジナルクリアホルダー(お一人様一枚限り)

・フローライト原石

をプレゼントいたします。
是非お気軽にお越しくださいませ。

今回のイベントではご来店されたすべての方にプレゼントいたします。

こちらの当店オリジナルクリアホルダーもお一人様一枚プレゼントいたします。


初めてでも使いやすい、スコープテックの天体望遠鏡

スコープテック Webサイトより

スコープテックは、初めて天体望遠鏡を使う方や、お子様にも扱いやすい天体望遠鏡を展開しています。

代表的な製品には、ラプトル50ラプトル60アトラス60などがあります。

いずれも、望遠鏡本体だけでなく、架台、三脚、接眼レンズなど、観察に必要なものがそろったセットです。

「価格はできるだけ抑えたい。でも、きちんと見える望遠鏡を選びたい」

「子どもへのプレゼントなので、難しすぎないものがよい」

「購入したあと、自分たちだけで使えるか心配」

そんな方は、ぜひ当日ご相談ください。

製品ごとの大きさや操作方法の違い、どのような天体を観察できるのかなどを、実物を見ながら確認していただけます。

スコープテックさん 望遠鏡ラインナップの一部

スコープテックのプロスタッフに直接相談できます

スコープテックからは、代表の中村さんとスタッフさんが来店します。

中村さんは午前11時から午後3時頃まで、その他のスタッフさんは午前11時から午後5時まで店頭にいる予定です。

初めての望遠鏡選びはもちろん、

ラプトル50ラプトル60はどう違う?」
アトラス60を選ぶのはどのような人?」
「家のベランダからでも観察できる?」
「どのくらいの年齢から一人で使える?」

といった具体的なご質問も歓迎です。

※当日の交通事情などにより、在店時間が多少前後する場合があります。


観劇から星空観察まで。ヒノデの双眼鏡

日の出光学 Webサイトより

双眼鏡は、倍率の数字だけでは使いやすさを判断できません。

明るさ、視野の広さ、手ぶれの感じ方、目の位置の合わせやすさなど、実際にのぞいて初めて分かる違いがあります。

今回の販売会ではすべての機種(カラーバリエーションはほぼ全て有り)を展示いたします。

大人気機種の 5x21-A6 はコンパクトながら見やすく、観劇、コンサート、スポーツ観戦、旅行、野鳥観察、星空観察など、幅広い用途で使える双眼鏡です。

「星空用には何倍がよい?」
「眼鏡を掛けたままでも使える?」
「多用途な観察にも使える双眼鏡がほしい」
「安価な双眼鏡とは何が違う?」

といった疑問も、実物をのぞきながらご相談いただけます。

日の出光学さん 双眼鏡ラインナップ

日の出光学代表・宮野さんが来店します!

日の出光学 Webサイトより クリックするとメーカーページへ移動します

午後3時頃からは、日の出光学代表の宮野さんが来店する予定です。

双眼鏡の選び方や正しい使い方、用途に合った倍率について、直接話を聞ける機会です。

ヒノデの双眼鏡をすでにお使いの方も、これから初めて購入する方も、ぜひご来店ください。

宮野さんへのご相談を希望される方は、午後3時から5時までのご来店がおすすめです。


見るだけ、相談するだけでも歓迎です

「まだ購入するか決めていない」

「子どもが望遠鏡に興味を持つか、まずは実物を見せてみたい」

「自分の用途に双眼鏡が合うか確かめたい」

という方も歓迎します。

インターネットの写真やスペック表だけでは分かりにくい、大きさ、重さ、操作感、見え方の違いを、店頭でお確かめください。

夏休みに天体観察を始めたいご家族にもおすすめのイベントです。


開催概要

スコープテック望遠鏡&ヒノデ双眼鏡 店頭展示販売会

開催日:2026年8月1日(土)
開催時間:午前11時~午後5時
会場:スターベース東京

来店予定:

  • スコープテック代表 中村さん:午前11時~午後3時頃
  • スコープテック 社員さん:午前11時~午後5時
  • 日の出光学代表 宮野さん:午後3時頃~午後5時

皆様のご来店をお待ちしております。

 

Google map :スターベース東京 

 


スコープテックさんの望遠鏡・日の出光学さんの双眼鏡の詳しいスペックは以下のWebサイトをご覧ください。

 

当店ネットショップ

スコープテックさん 商品ページはこちらから

www.starbase.co.jp

日の出光学さん 商品ページはこちらから

www.starbase.co.jp

 

スコープテック Webサイトはこちら

scopetown.jp

日の出光学 Webサイトはこちら

bino.hinode-opt.jp

 

タカハシの新鏡筒 FCT-114DS、FCT-114DFが話題です!

6月24日に発売されたタカハシの新鏡筒、FCT-114DSとFCT-114DFについて、すでに多数の反響をいただいております。ありがとうございます。今回のブログ記事では皆様から多くいただいているご質問と、その回答をご紹介いたします。

 

ご質問1

「DS」と「DF」は何が違うの?

 

回答1

対物レンズは同一ですが、接眼体の仕様が異なります。「DS」はTSA-120等と同様 (*) の"標準"接眼体、「DF」はFSQ-85EDP等と同様 (*) の大型接眼体を採用しています。

* ドロチューブストロークと後端ネジ規格は例に挙げた鏡筒と同一ですが、鏡筒側の接続部などは異なるかもしれません。

FCT-114DFのほうがドロチューブが太く短い(短いといっても実用上十分だと感じます)ため、天体写真撮影時にはドロチューブ先端による光束のケラレが少なくなり、豊富な周辺光量を期待できます。メーカー発表の「FCT-114DSよりも豊富な周辺光量を得られます。」は、このことを指しているとお考えください。

ただし通常の眼視観察用途においては、どちらの鏡筒をお選びいただいても見え味の差を感じることはないと思います。

 

 

ご質問2

FCT-114DSとFCT-114DF、どちらを買ったら良い?

 

回答2

お客様それぞれのご希望を踏まえて個別に回答しているため、画一的な回答をしにくいところです。ですが大変多く聞かれる質問でもあり、本ブログで何らかの形で触れなければと思っていました。

現時点までに公開されている情報を踏まえて、弊店ではこのようにお答えしています。

「眼視のみ、あるいは眼視優先で、鏡筒を少しでも軽くしたい方・減速微動装置は必須ではないという方は、安価で軽量なFCT-114DSがお勧めです。」

「大きなカメラを使って天体写真を主軸にしたい方や、一生ものになりえる良質な屈折望遠鏡を買うので"せっかくなら…" という方には、より大型の接眼体を採用したFCT-114DFがお勧めです。」

DSに対してDFの明確に示されているメリットは「天体撮影時の周辺光量の豊富さ」ですが、この差が具体的にどのくらいあるのかは、今後の発表にご期待いただければと思います。

 

 

ご質問3

FCT-114Dシリーズの立ち位置を知りたい。

 

回答3

弊店スタッフの個人的な見解を述べます。まず、口径114mmというのは一見するとキリの悪い数値に見えますが、実際は「4.5インチ」のミリ表記であり、天体望遠鏡の口径としては昔からよく使われてきた大きさです。そして対物レンズの有効面積比で見れば

・FC-100Dシリーズと比較して +30%
・TSA-120と比較して -10%

であり、3枚玉の設計も相まって、どちらかといえばTSA-120寄りの位置づけかと思います。FCT-114Dの球面収差図はTSA-120と似ていて、タカハシwebサイトでも「高倍率の眼視観望でも焦点内外像を含めて色収差をほぼ感じない鋭像」と表現されています。

しかしTSA-120より口径は6mm小さいだけですが、鏡筒パイプの外径は11mmも細く(125mm→114mm)、重さは約900gも軽い(FCT-114DSの場合、ファインダー込み約6.8kg→5.9kg)です。これによって生み出される"気軽さ"のメリットは大きいのではないかと思います。FCT-114D鏡筒は、感覚的にはTSA-120の仲間ではなく、FC-100Dシリーズのやや延長として感じられるかもしれません。

これまでも、弊店で実機をご覧になって「FC-100Dなら余裕で取り回せるけれど、TSA-120はちょっとなぁ…」と悩まれる方々が多くいらっしゃいました。そのような方にとって、FCT-114D鏡筒は日常で使える絶妙な最大サイズの高性能屈折望遠鏡として活躍するのではないかと思います。

 

詳細なレビューは私たちが実際に触って・試してから、改めて実施予定です。

FCT-114Dやその他天体望遠鏡のご検討に際してご不明な点がありましたら、お気軽にお問い合わせください! ↓↓↓

www.starbase.co.jp

 

★FCT-114DS、FCT-114DF鏡筒をはじめとするタカハシ製品は、弊店以外にも各天体望遠鏡販売店様でお求めいただけます。★

 

 

 

 

 

 

★詳細解説★ "天頂ミラー"と"天頂プリズム"についてのご紹介です!

天体望遠鏡を使った天体観察において、よく紹介されるアクセサリーのひとつが天頂ミラー天頂プリズムです。どちらも光路を90°折り曲げて、筒先が天頂付近を向く場合でもアイピースを覗きやすい方向へ向けられる便利なアイテムですが、光路を折り曲げる原理や性質は異なります。

今回のブログ記事では天頂ミラーと天頂プリズムについて、様々な側面から比較・ご紹介します。

※今回の「天頂プリズム」は一般的な90°天頂プリズム、「天頂ミラー」は一般的な90°天頂ミラーを前提としています。

 

比較1:収差変動

天頂ミラーは平面鏡で光を反射させて光路を曲げます。一方の天頂プリズムは、ガラスブロックの中を光が通り、ブロックの斜面で全反射することで光路を曲げます。

天頂ミラー・天頂プリズムのしくみ


天頂ミラーの反射は、良質な平面鏡を正しく取り付けてある限り、原理的には鏡筒側の収差を変動させません。一方の天頂プリズムは、収束途中の光がプリズム(ガラスブロック)の中を通る過程で、色収差や球面収差バランスを変動させます。

天頂プリズムによる収差変動

このため、天頂プリズムを使用すると、そうでない場合と比べて見え方が変わります。見え方の変化は実用上感じられない場合もあるかもしれませんが、一般に、鏡筒のF値が明るいほど、また高倍率観察時ほど顕在化しやすくなります。

ただし天頂プリズムによる色分散自体が「悪」という訳ではありません。むしろプラスに働く場合もあります。例えば標準的な2枚玉アポクロマート鏡筒などにおいては、天頂プリズムを使用することで収差が調整されて、総合的な見え味が"整う"、あるいは眼視ストレール比が向上する、という場合もあります。

一方で、鏡筒単独で完璧に近い収差補正が施されている場合には、天頂プリズムを使用すると、その影響が主に焦点内外像の色付きとして感じられることがあります。

 

比較2:光量ロス

天頂ミラーはミラー面の反射によって若干の光量ロスが生じます。対して天頂プリズムはプリズムブロックへの入射・出射・ガラスの内部吸収によって光量ロスが生じます。これらの差は反射原理の差というよりも製品の仕上げによる差が影響しやすいですが、現代の良質な製品どうしであればユーザーが体感できる差はあまり無いと思っております。

光量ロス


また、天頂プリズムはガラス-空気の境界面で生じる全反射を利用した製品なので、厳密には鏡筒のF値が明るすぎる(入射光の傾きが大きくなる)と全反射が正しく機能しないこともあります。ただし通常販売されている屈折望遠鏡やカセグレン式反射望遠鏡のF値の範囲であれば、基本的にはこのことはあまり気にしなくて大丈夫です。

 

比較3:清掃のしやすさ

天頂ミラーや天頂プリズムは、アイピースを差し替えながら観察する等を繰り返しているうちに、どうしても汚れが付着します。多少のホコリが乗った程度ならばゴム球式のブロアーで簡易清掃すれば十分ですが、面そのものが汚れてしまうと見え味を低下させることがありますので本格的な清掃をした方が良いこともあります。

天頂ミラーではミラー面(通常は保護膜付きの金属メッキ面)を清掃します。これは反射望遠鏡の鏡面などと同じですから、それに準じたデリケートな取り扱いが必要です。

一方の天頂プリズムでは、プリズムの入射・出射面(反射防止コーティングを施したガラス面)を清掃します。ガラスは天頂ミラーの反射素材である金属メッキよりも硬い素材です。砂埃などが付いたままクリーニングクロスで引きずるようにしてしまうと傷がつくこともありますが、それでも総合的な清掃の難易度という点ではミラーよりもプリズムのほうが「下地が硬い」ので安心感や気軽さがあるのではないでしょうか。

ただし、いずれも基本は毎回のブロアリングであるという点は変わりません。傷を付けるリスクのある直接清掃は最小限に留めるようにしたほうが良いと思います。



比較4:長期運用

金属メッキ式の一般的な天頂ミラーでは、その寿命は主に金属メッキ膜の経年劣化に左右されます。金属メッキ膜はそのままでは酸化や腐食の影響を受けやすいため、通常は表面に保護コートを施して耐久性を高めています。ただし、清掃や保管状況によって保護コートに微細な欠陥や傷みが生じると、そこが内側の金属メッキ膜を酸化・腐食させるきっかけとなり、その後の経年に伴って天頂ミラーの見え味を低下させることがあります。

 

また、天頂ミラーの耐用年数は保管条件にかなり強く依存します。多湿環境に長期間保管したり、潮風を受けたり、夜露で湿ったまま放置したりすると、保護膜の劣化と、それに伴う金属メッキ面の劣化が進みやすくなります。汚れやカビも劣化を早める要因です。条件が厳しい場合には、比較的短期間で表面の経年変化が進み、見え味の低下を感じることもあるかもしれません。

大雑把に申し上げれば、天頂ミラーは「反射原理そのものが経年劣化しうる」ものです。

左:状態の良いミラー 右:劣化したミラー

一方、天頂プリズムの反射原理である全反射は、ガラスブロックの形状と素材そのものに由来する現象です。表面に施されたコーティングが劣化してもガラスブロックの形状が維持されている限り、"光を反射させる構造そのものが経年で傷んでいく"ことはありません。このため反射機能自体の長期安定性という点では天頂ミラーよりも有利といえます。

天頂プリズムで経年変化の対象になるのは、主に入射面・射出面に施されたコーティングや表面状態です。これらのコーティングは一般に耐久性が高く、金属メッキ式ミラーに比べると経年劣化は問題になりにくい傾向があります。そのため、通常の使用環境であれば、天頂プリズムは長期にわたって安定した性能を維持しやすいといえるでしょう。

ただし、天頂プリズムもまったくメンテナンスフリーというわけではありません。表面に汚れや水膜、カビが生じると、散乱や透過ロス、コントラスト低下の原因になります。このため天頂プリズムも天頂ミラーと同様に、丁寧に保管することが重要です。

 

このように考えると、長期的に安心して使い続けやすいのは、どちらかといえば天頂プリズムだといえそうです。ただし、天頂ミラーでも後述する誘電体コートBBHSを採用した製品では耐久性が大きく改善されており、一般的な金属メッキ式ミラーとは事情が異なります。

 

比較5:散乱光や迷光について

高倍率眼視において、例えば惑星本体の周り(宇宙空間)の暗さがストンと真っ黒になるかどうかという点は、眼視を極めたい方にとって重要かと思います。これは天頂ミラーや天頂プリズムの面精度だけでなく、表面粗さ、コーティングの質、ホコリの付着、内部つや消し処理などが影響します。散乱光の少ない製品として、経験的に良質なプリズムや銀系ミラーが好まれることがあるようですが、良質な誘電体ミラーも非常に優秀のようです。実際の見え味は、製品の方式の差以上に、製品の品質や面の清浄度、そして観察者の好みなどに左右されるのではないかと思われます。

天頂ミラーや天頂プリズムの内面つや消し処理については、価格が見合えば、しっかりつや消し処理された製品を選ぶと安心です。ただし鏡筒側差し込みスリーブの先端(フィルターネジ部)だけつや消し処理されていなくても、問題になりにくいことがほとんどなので、気にしなくて大丈夫そうです。

 

その他見え味に影響する要因

天頂ミラーや天頂プリズムも光学面をもちますから、鏡筒やアイピースと同様に「温度順応」が必要です。ただし、鏡筒と同時に外気順応をスタートさせておけば、これはあまり気にしなくて良いと思います。

 

特筆すべき製品

上記で紹介していないタイプの製品もいろいろありますが、ここでは「誘電体コート」「バーダーBBHS」「ターレットレボルバー」をご紹介します。

誘電体コートは通常の金属メッキの天頂ミラーと異なり、多数の誘電体膜をミラー面へ蒸着して高い反射率を得るものです。この誘電体膜は非常に硬いため、誘電体コートの天頂ミラーは、一般的な天頂ミラーよりも清掃耐性・経年劣化ともに優れた特性を示します。

BBHS(Broad Band Hard Silver)はバーダープラネタリウム社の技術です。銀メッキを活用した高い反射率と、誘電体保護による耐久性向上を両立しています。

※BBHS天頂プリズムは全反射面にBBHS処理を施した製品です。入射・出射面は反射防止コーティングです。

バーダープラネタリウム BBHS 2インチ天頂ミラー

ターレットレボルバーは複数のアイピースを取り付けておき、見口部分を回転させることで簡単にアイピースを切り替えて観察できる製品です。タカハシでは四頭ターレットレボルバー31.7Dという製品を販売しています。これは鏡筒側が50.8mm差し込み、アイピース側は31.7mm差し込み×4か所で、光路を折り曲げるのには天頂プリズムが使われていますから、上記でご紹介した特性は天頂プリズムと同様です。

四頭ターレットレボルバー31.7D

 

●タカハシ鏡筒の場合の選び方

それではタカハシの代表的な鏡筒について、天頂ミラーと天頂プリズムをどのように選べばよいか、個別に見ていきましょう。この記事では簡単のため、いずれもタカハシ製品の使用を想定しています。天頂ミラーは50.8mm差し込みの「天頂ミラー50.8」、天頂プリズムは31.7mm差し込みの「天頂プリズム31.7MC」です。

 

●FC/FSシリーズ

2枚玉フローライトアポクロマートの収差特性を鑑みると、色分散を生じる「天頂プリズム」はむしろ"芯のある星像"を得るためにプラスに働くことも考えられます。

31.7mm差し込み中心で軽快に使うなら、システムチャート通りに天頂プリズムをお使いいただくのがベターです。システムチャートに天頂プリズム31.7MCしか適合を示されていない鏡筒は、タカハシが「天頂プリズム31.7mmを使うことで良い見え味をご堪能いただける」と考えているものとご認識ください。

一方で50.8mm差し込みに対応した鏡筒で超低倍率や広視界を楽しみたい場合には、天頂ミラーを使うのも良さそうです。この場合は天頂ミラーなので、鏡筒本来の収差特性をなるべく変えないまま、眼視をお楽しみいただけます。

※50.8mm差し込みが標準でない鏡筒の場合、このようなアダプターを使えばドロチューブ後端を50.8mmスリーブ化できますが、ピントが合わない場合もあります。ご不明な点はお問い合わせください。

FS-60CB鏡筒 + 天頂プリズム31.7MC の接続例

●TOA/TSAシリーズの場合

鏡筒単体での収差補正がきわめて優れている鏡筒には、色分散を生じない天頂ミラーが第一候補になります。様々な用途へ安心してまんべんなく使えます。

ただし、多少の色付きが生じても「高倍率観察時に散乱光が減る可能性を試してみたい」という場合は、天頂プリズムをお試しいただくのも楽しそうです。

TSA-120鏡筒 + 天頂ミラー50.8 の接続例 (天頂ミラー・ファインダーは旧仕様です)

●FSQシリーズの場合

FSQシリーズはFが明るく、鏡筒単体で中心から周辺まで収差補正が完成しています。鏡筒の性格から考えると、まずは天頂ミラーを第一候補としていただくのが良さそうです。

FSQ-80FC 鏡筒 + 天頂ミラー50.8 の接続例

●Mewlonシリーズの場合

鏡筒単独でほぼ完璧な中心像の収差補正が施されています。一方、鏡筒のFが暗めなので、天頂プリズムを使用した場合でも色分散の影響は小さめです。

31.7mm差し込みしか使わないなら天頂プリズム、50.8mm差し込みのアイピースを使ったり、焦点内外像まで色付きを生じさせたくない場合は天頂ミラー、という考え方で良さそうに感じます。

 

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このように考えますと、タカハシのシステムチャートで紹介されている組み合わせは、とても合理的な検討に基づいていることが分かります。もしタカハシ以外の天頂ミラー/天頂プリズムを使用する場合は、光路長をチェックして、問題なくピントが出るかどうかを事前にご確認ください。また、タカハシ製品以外で鏡筒側へ差し込むスリーブが長い場合は、鏡筒内壁や対物レンズの後端に干渉しないかもご注意ください。

 

天頂ミラー・天頂プリズムの選び方について、ご不明な点がありましたら、お気軽にお問い合わせください!皆様の眼視ライフが一層充実したものになることを願っております。

 

※2021年の記事ですが、こちらもあわせてご覧ください!

starbase.hatenablog.jp

 

★徹底比較★ 人気上昇中! Antlia(アントリア)フィルターのご紹介です!!

みなさんは「Antlia(アントリア)」というフィルターメーカーをご存じでしょうか?

2025年に天文ハウスTOMITAさんが輸入を開始してから、当店でも供給を受けて販売を始めました。日本国内でも少しずつ存在感が高まってきており、実際にシェアが伸びているのを感じます。

Antliaのラインアップは、モノクロ撮影ワンショットカラーカメラでのナローバンド撮影において、フィルター選びで悩まれている方にぜひご注目いただきたい製品がたくさんあります。今回は当店ネットショップに掲載している各製品について、

という流れで、Antliaのフィルターを詳しくご紹介していきます。

※ネットショップ非掲載商品もお取り寄せ可能です。個別にお問い合わせください。

1.Antliaってどんなメーカー?

Antlia(アントリア)は、天体写真用フィルター(LRGB、ナローバンド、マルチバンドなど)を中心に展開するメーカーです。十分な実用性能を備えながら比較的手に取りやすい価格帯で供給量も多いという点が大きな魅力です。

特に

・両面多層コーティング
・迷光や反射の抑制
・基板の平面精度
・星周りのハローの抑制

といった点に力を入れており、これまでにご購入いただいたユーザー様からも「ハローが出にくい」「安心して使いやすい」といった評価をいただいています。

 

化粧箱を開けると高級感のあるケースが現れます。四隅の磁石で上蓋が閉じる仕様になっています。しっかり保持されるため、不用意に外れにくい点も好印象です。(出荷時にはフィルターは追加梱包されています)

→2026/08/06追記:少し前のロットから順次、簡易梱包へ切り替わっているとのことです。ケース/簡易梱包の種別はお選びいただけません。ご了承ください。

 

2.Antliaフィルターのご紹介の前に!

フィルター透過率グラフの「読み方のコツ」3点

(1) 半値幅(FWHM)

目的波長に対して、その透過率が半値(半分)になるような波長幅のことです。撮影対象が輝線星雲であれば半値幅が狭いほど背景光(光害や月明かり)を遮断しやすく、星雲のコントラストを高めやすくなります。

一方で、半値幅が狭いということは、特定の波長以外を強く遮断するということでもあります。そのため自然なカラーバランスから離れやすい面もあります。銀河のような連続光の天体では、ある程度広めの半値幅の方が扱いやすい場合もあります。


(2) ブロッキング(OD)

ODは通したくない光をどれだけ遮断できるかの目安です。ODxは、目的波長以外を「10の-x乗しか透過しない」ということを表します。

多くのフィルターメーカーは透過特性をグラフで示していますが、Antliaはそれに加えて、遮断度合いをODの数値でも示しているのが特徴です。

 


(3) ブルーシフトについて

干渉フィルターは光が斜めに入射すると透過波長が短波長(ブルー)側にシフトします。このブルーシフトの影響はF値が明るいほど大きくなり、光学系によっては周辺像ほど影響が出やすくなります。

対物レンズの端から入射して光軸中心へ結像する光のブルーシフト量は、中心像における単純計算でおおよそ次のようになります。

・F2.0:Hαで約-8.6nm / OIIIで約-6.6nm
・F3.3:Hαで約-3.3nm / OIIIで約-2.5nm
・F4.0:Hαで約-2.2nm / OIIIで約-1.7nm
・F5.0:Hαで約-1.4nm / OIIIで約-1.1nm

例えばHαフィルター(半値幅7nm)をF2.0の光学系で使うと、光軸中心に結像する光において、対物レンズ中心に入射した光と端に入射した光では透過波長が8nm以上ずれてしまいます。その結果、本来透過したいHα以外の光も混ざりやすくなり、コントラスト低下の原因になります。

そのため干渉フィルターの半値幅は光学系のF値によるブルーシフト量も考慮して選ぶことが大切です。実際には上記の計算値に加えて「写野周辺に結像する光」のぶんだけ少し余裕を持って選ぶことで、写野全体で均一なコントラストを得やすくなります。

 

3.当店ネットショップの掲載商品一覧

当店ネットショップの商品ページはこちらです。

以下の一覧の「下へ」をクリックすると、各商品の解説へ移動します。

【LRGB(モノクロ向け)】
1. LRGB V-Pro / 50mm枠なし 下へ
2. LRGB Dark / 50mm枠なし 下へ

【単波長ナローバンド(モノクロ向け)】
3. Antlia 3nm Pro ナローバンド / 50mm枠なし(SII / Hα / OIII) 下へ
4. Antlia 4.5nm EDGE ナローバンド / 2inch(SII / Hα / OIII) 下へ

【デュアルバンド(カラーカメラ向け)】
5. ALP-T 3nm Hα & OIII / 2inch 下へ
6. ALP-T 5nm Hα & OIII / 2inch 下へ
7. ALP-T 3nm SII & OIII / 2inch 下へ
8. ALP-T 3.5nm SII & Hβ / 2inch 下へ

【マルチバンド(光害カット効果)】
9. Triband RGB Ultra II / 2inch 下へ
10. Quad Band Anti-Light Pollution / 2inch 下へ
11. 8-EL UHC Pro Visual Enhancer / 2inch 下へ

 

4.モノクロカメラ向けフィルター

【LRGBフィルター 4枚セット】


  1. LRGB V-Pro / 50mm枠なし
    ・R:G:Bの光量比を1:1:1に近づけるような設計
    ・G-Rの間にギャップがある → 多少の光害カット効果

    メモ:夜空が十分に暗い環境でなくても比較的高コントラストのRGB画像を得やすい設計です。多くの場合に扱いやすいモデルです。


  2. LRGB Dark / 50mm枠なし
    ・可視光域全体を均一にRGBへ色分けするような透過特性
    ・石英ガラス(低膨張)を使用し耐久性に優れる

    メモ:夜空の暗い場所で良質なLRGB画像を撮りたい方におすすめです。


LRGB V-Pro と Dark(主な違いと選び方)

両者とも当店取扱いは50mm枠なしセットで、厚みは3mm±0.05mm、OD4.5クラスとなっていますが、材質や露光比などに違いがあります。

V-Pro:RGBの露光比がおよそ1:1:1 / 589nm付近のギャップ構造
→ (多少の)光害の影響を軽減しやすいのが特長です。

Dark:可視光全域を通す設計 / 石英ガラス(低熱膨張)による温度安定性や耐久性
可視光の情報をできるだけ多く取り入れるのと共に、低温環境下や長期運用でも安定した結果を期待しやすいのが特長です。

基本的には、真っ暗な環境で最良の写真を目指したいなら「Dark」、若干の光害を感じる環境や青ハローの気になる鏡筒では「V-Pro」というように選び分けていただくのがよいと思います。


【単波長ナローバンド】


  1. 3nm Pro ナローバンド / 50mm枠なし(SII / Hα / OIII)
    ・急峻なスペクトル特性により星の周りのハローも低減
    ・推奨:F3.6以上(メーカーによればF3までは使用可能)

    メモ:淡い星雲をできるだけ高コントラストで写したい場合におすすめです。


  2. 4.5nm EDGE ナローバンド / 2inch(SII / Hα / OIII)
    ・パルス形の波長特性でブルーシフト耐性が高い
    ・Fの明るい鏡筒でも使用可能

    メモ:幅広い光学系に合わせやすく、扱いやすいのが魅力です。


ナローバンド 3nm Pro と 4.5nm EDGE(主な違いと選び方)

・3nm Pro:Fが暗めの光学系で、コントラストを最優先したい方向け

・4.5nm EDGE:明るい光学系でも扱いやすさを重視したい方向け

3nm Proシリーズは50mm枠なしタイプ、4.5nm EDGEシリーズはM48ねじ込みタイプです。お使いのシステムに合わせてお選びください。


5.カラーカメラ向けフィルター

  1. ALP-T 3nm Hα & OIII(2inch)
    ・3nmの狭いバンドパス、非常に高いコントラストを得やすい
    ・推奨:F4以上

    メモ:ワンショットカラーカメラでナローバンド撮影を始めたい方に、まずご検討いただきたい1枚です。


  2. ALP-T 5nm Hα & OIII(2inch)
    ・明るい光学系(F2〜F3クラス)でも使用可能
    ・5nmでも十分に高いコントラストを得やすい

    メモ:鏡筒を選ばずに使いやすいのが魅力です。


  3. ALP-T 3nm SII & OIII(2inch)
    ・SII輝線のコントラストを大きく向上させやすい
    ・推奨:F4以上

    メモ:人気モデルです。別途Hαを撮影しておけば、カラーカメラでSHO(SAO)合成も可能です。


  4. ALP-T 3.5nm SII & Hβ(2inch)
    ・淡いSIIとHβをより強調しやすい
    ・推奨:F4以上

    メモ:Hβを透過する珍しいフィルターです。通常とは異なる画像表現を楽しみたい方におすすめです。


■ ワンショットナローバンド撮影の最初の1枚
カラーカメラをお使いの方に、最初の1枚としておすすめしやすいのは「ALP-T Hα & OIII」です。Hαは多くの星雲で明るい輝線であり、OIIIも比較的使いやすいため、カラーセンサーとの相性がよい組み合わせです。

しばらく楽しんだあと、2枚目としておすすめなのはSIIを撮影できるフィルターです。例えば「ALP-T 3nm SII & OIII」と「ALP-T Hα & OIII」の2種類で撮影することで、コントラストを高めた表現やSHO合成も楽しめるようになります。

3nm 5nm(Hα&OIIIフィルターの選び方)
・光害などが強く、より狭い半値幅を求める場合 → 3nm
・明るい光学系で透過低下を避けたい場合 → 5nm

使用する光学系のF値や撮影環境に合わせてお選びください。


6.光害カットフィルター

  1. Triband RGB Ultra II(2inch)
    ・RGBのカラーバランスを崩しにくい設計
    ・F2まで対応

    メモ:銀河や反射星雲などにも使いやすく、汎用性の高いフィルターです。


  2. Quad Band Anti-Light Pollution(2inch)
    ・一部の近赤外線も透過し、銀河などのS/N比をより高めやすい
    ・F2まで対応

    メモ:連続波長を持つ天体を、よりコントラスト高く写したい場合に向いています。


  3. 8-EL UHC Pro Visual Enhancer(2inch)
    ・眼視・電子観望向けのUHCフィルター
    ・眼視なら口径20cm以上の鏡筒がおすすめ

    メモ:OIIIなどの輝線が強い星雲の眼視向けです。


光害カット:トライバンドクアッドバンド(主な違いと選び方)

両者ともに光害をしっかりカットしつつRGBのバランスを保ちやすいフィルターです。輝線のみを透過させるタイプよりも用途が広く、銀河や反射星雲などにも使いやすいのが特長です。

・トライバンド:RGBバランスを崩しにくい設計

・クアッドバンド:近赤外線も透過する

クアッドバンドは近赤外線も活かせる点が魅力ですが、カメラの保護フィルターがIR/UVカットである場合は、その効果を十分に活かせないことがあります。カメラとの相性も踏まえてお選びください。

 


7.よくある質問

【Q1】ε-160ED(F3.3)やR200SS(F3.8〜F4)で、ALP-T 3nmは使えますか?
【A】口径の端でのロスはありますが、使用自体は可能です。ただしブルーシフトの影響により、フィルター本来の能力を十分に発揮できない場合があります。まずは失敗しにくいフィルターを選ぶのであれば、半値幅が多少広いALP-T 5nmや、より安全策として市販品で多く採用されている半値幅7nmのフィルターをおすすめすることもあります。

【Q2】OIIIでハローが盛大に出たことがあります。Antliaなら解決しますか?
【A】ハローやゴーストは、光学系・カメラのウィンドウガラス・バックフォーカス・フィルター位置などによっても変わるため、必ずしも発生しないとは言い切れません。ただ、Antliaのフィルターで良好な結果を得ているユーザー様は多くいらっしゃいます。

【Q3】Antliaのフィルターをカメラレンズの前玉側(ねじ込み)で使えますか?
【A】物理的に取り付けできる場合はありますが、十分な性能を発揮できないことがあるため、基本的にはおすすめしておりません。

【Q4】2inchと50mm枠なし、どちらがよいですか?
【A】一般的には、ねじ込みで取り付けできる2inch(M48、48mm、50.8mm等と呼ばれることもあるサイズです)が扱いやすいです。ただし、明るい光学系にフルサイズカメラを組み合わせる場合などは、2inchでは周辺像でわずかにケラレが生じることがあります。そのような場合は50mm枠なしタイプがおすすめです。ご不明な点がありましたらご遠慮なくお問い合わせください。

【Q5】メーカーの推奨する対応F値について、スターベースの解釈を教えて!

【A】メーカーの推奨する最小F値は、大雑把に申し上げれば「同社の他のフィルターを使うよりもコントラストが高くなる境界値」のように捉えていただくのが安全です。特にFの明るい光学系やフルサイズセンサーを使用する場合は、中心から周辺まで均一なコントラストで描写するために、フィルターの半値幅を狭くしすぎないで「全領域・全光束が確実に透過できるような安全策」を選んだ方が結果にご満足いただけることもあります。ご不明な点がありましたらご遠慮なくお問い合わせください!

【Q6】フィルターを使った撮影で、画像処理に気を付けることはある?
【A】フラット補正は必須とお考えください。光学系の周辺減光が無い場合でも、画角の中心と周辺で(フィルターへ入射する光の傾きが変わるため)色が変わったり、特にナローバンド系のフィルターを使用した場合には「不規則なフラットムラ」が生じることは多々あります。そうした光学系~カメラまでの一式に生じる「ムラ・特性」を除去するために、フラット補正は必ず実施してください。

 

 


Antliaのフィルターにぜひご注目ください!

Antliaのフィルターは、目的に応じてさまざまなタイプがラインアップされています。当店ネットショップに掲載していない製品でもお取り寄せは可能です。製品選びも含め、ご不明な点がありましたらお気軽にお問い合わせください。

 

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