※2020年7月30日追記:上記画像の撮影光学系に誤りがありました。訂正してお詫びいたします。
FOA-60鏡筒はそのコンパクトさと眼視性能の高さから発売以来皆様にご好評いただいておりますが、他のタカハシ撮影用鏡筒よりもF値が暗いだけで、フラットナー0.93×併用時(焦点距離495mm F8.2)とエクステンダー1.7×R併用時(=FOA-60Q、焦点距離900mm F15)の写真のシャープさは目を見張るものがあります。FOA-60/60Qのスポットダイアグラムはこちらよりご覧いただけます。
そんなFOA-60の写真適正の高さを天体撮影に限らずさまざまな局面で活かしていただけるよう、先日スターベースオリジナルとしてラックピニオンの接眼体をBORGシステムに取り換えるための「M66→M57/60アダプター」を発売いたしました。
今回ご紹介する作例は次の画像のように接眼部をBORGに組みなおして行っています。
■FOA-60 + フラットナー0.93×
もとの接眼体(ファインダー込み)は約1.1kgですが、交換品のBORGシステムは約0.5kg。対物部の約0.7kgと合わせて全体重量約1.2kgと軽量です(EOSマウントの場合)。※フラットナー0.93×はスリーブを外して直接BORG[7000]にねじ込むため、スリーブは余ります。このリング構成では約15m~∞でピントが合います。
■FOA-60Q
同じく接眼体一式をBORGに交換した状態です。この状態で全体重量約1.45kg(EOSマウントの場合)で、高性能超望遠カメラレンズと比較すればかなり軽く仕上がります。このリング構成では約100m~∞でピントが合います。
まずは新幹線の作例です。東海道新幹線がトンネルから出てくる瞬間を捉えました。
RN様による作例です。当然のごとく色収差は実用上皆無。色乗りは淡泊ですが決してコントラストが低いわけではなく、微妙な色合いを確実に捉えています。運転手の表情もよく分かります。
こちらは飛行機の作例です。京浜島にて羽田空港より離陸する飛行機を捉えました。以下FOA-60/FOA-60Qによる作例はすべて落合哲宏様によるものです。
上の画像の中央やや左、500ピクセル四方を切り出したものがこちらです。「出口」の「出」の縦棒(1画目)は1ピクセルに収まっています。大気の影響をかなり強く受ける天体撮影とは異なり、地上の対象を撮るときにこそ、こうした高性能天体望遠鏡の本領発揮となるのかもしれません。
上述の「M66→M57/60アダプター」の登場により、手持ち撮影用高性能レンズとして活躍の機会が拡がったFOA-60 / FOA-60Q鏡筒。もちろん通常の接眼体に戻してからアイピースを接続すれば、収差のほとんどない大変クリアでシャープな眼視もお楽しみいただけます。