スターベース東京のブログ

スターベース東京のブログです。店頭の様子や機材情報を中心に書いていきます。不定期更新。

今年もありがとうございました!

 

本日、2018年最後の営業が終了しました。

今年は7-8月の火星大接近と12月の46Pウィルタネン彗星が世間を賑わせ、タカハシ製品では2月の「MRD(メリディアン)赤道儀」や8月の「FC-FSマルチフラットナー」、12月の「TSA-120N鏡筒」が登場しました。

 

そして!先日のASIAIRのアップデートでは現行「FG-Temma2Z」がついに対応となり、ASIAIRを用いた自動導入や別売りのアプリSkySafariと連携して自動導入できるようになりました。(ASIAIRを用いたZWO社のカメラによるオートガイドは以前からできました)

 

現状ではASIAIR起動時にZWO社のカメラに接続している必要があったり(起動後はカメラを抜いてしまって赤道儀だけつないだ状態にしてもOKです)、自動導入中の非常停止ボタンが見当たらなかったり、と難しい面もありますが、じきに解決されていくことでしょう。

2019年は本格的に「タカハシ赤道儀スマホから自動導入ができる」年になりそうです。

 

本年は皆様に大変お世話になりました。来年もどうぞよろしくお願いいたします。

【東京店は1月5日より、名古屋店は6日より営業いたします。】

【FC-76D + 76Dレデューサー】ナナロクをF5.5の明るい写真鏡にします

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M8・M20とその周辺 2018年5月15日 長野県南牧村にて撮影


◇概要
FC-76Dシリーズ(DC,DCU,DS)の鏡筒に「76Dレデューサー」を併用すると、焦点距離417mm / F5.5 / イメージサークルΦ36mmとなります。

 

フローライト2枚玉で月惑星のシャープな像はもちろん、76mmという絶妙な口径でコンパクトながらディープスカイ観望まで楽しめる万能機の「ナナロク」ですが、各種補正レンズの併用によって、天体写真用としてもかなりハイレベルにお使いいただけます。

 

「76Dレデューサー」併用時は収差補正や周辺光量の点では「FC/FSマルチフラットナー1.04×」に少し及びませんが、それでもF5.5という明るさは強い武器になります。
APS-Cセンサー使用時はフルサイズ換算約650mmとなり、メジャーな天体を画面にちょうどよく収めるのに適した焦点距離です。後述のようにAPS-Cの四隅まではほとんど周辺減光もありませんので、FC-76D + 76Dレデューサーは大変使いやすい組み合わせだと思います。

 

※スポットダイアグラムのデータもあわせてご覧ください。



◇実写画像とその印象

 

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FC-76DCU + 76Dレデューサー + Canon EOS6D(IR改造) ISO-1600 240s 撮って出し

 

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FC-76DCU + 76Dレデューサー フラット画像 (Canon EOS6D(IR改造)、35mmフルサイズ)

 

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FC-76DCU + 76Dレデューサー フラット画像 (スケール入り)

 

周辺減光は避けられませんが、「イメージサークルの境界で一気に落ちる」タイプですので、APS-Cの範囲までは光量がほとんど均一であることに注目してください。つまりAPS-Cまでのセンサーをもつカメラならば、フラット補正が容易、もしくは不要であるということですから、初めての方でも比較的気軽に画像処理に取り組んでいただけると思います。

 

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FC-76DCU + 76Dレデューサー 等倍切り出し画像 (撮って出し)

 

色ハロのない素直で緻密な星像が得られます。イメージサークルはΦ36mmですが、この場合は中央光量比を基準に定まったもので、実はフルサイズの最周辺まで星像はシャープです。星像自体は肥大しておらず、目立つ収差は「色ズレ」だけですので、これはPhotoshop系の「色収差の除去」コマンド等で容易に補正可能です。
本作例もフルサイズセンサーのカメラで撮っていますが、適切なフラット補正と色ずれ補正さえ行えば、フルサイズの全面で均一・色ハロがない・シャープな星像を得られます。

 

軽量コンパクトのエントリー機という位置づけながら、撮影もハイレベルに対応可能。それがFC-76Dシリーズの強みであると思います。

 

【11/23(金)~11/27(火)】東京店にてMewlon-250CRS鏡筒を展示します!

短期ではありますが、東京店にてMewlon-250CRS鏡筒を展示いたします!

期間は【11月23日(金)~11月27日(火)】です。

 

東京エリアにお住いの方など、この機会にぜひ実機を見にスターベース東京店へいらしてください!皆様のご来店をお待ちしております。

 

※Mewlon(ミューロン)-250CRSは…

補正レンズを組み込み眼視・撮影のどちらに対しても非常にシャープな像を実現するだけでなく、ファン内蔵による温度順応と気流制御、PC併用による(撮像画像を解析する)オートフォーカス機能など、プレミアムな機能が満載の鏡筒です。

 

 

 

 

 

旧機種にも対応開始!「FC/FSマルチフラットナー1.04×」スペーサーリングが全種類揃いました

 

今夏発売となり皆様にご好評いただいております「FC/FSマルチフラットナー1.04×」ですが、先日、旧製品のFC/FS鏡筒でお使いいただくための専用スペーサーリング「マルチCAリング」が発売となりました!

 

この製品について詳しくはこちら(タカハシWebサイト)をご覧ください。

 

スターベース東京店でも本日入荷となりました!ネットショップからもご購入いただけます。

 

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FC-50鏡筒には「マルチCAリング50」を。

 

 

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FC-60 / FC-60NZ / FC-65 各鏡筒には「マルチCAリング65」を。

 

※上記2製品には「M47-M55.9変換リング」が付属します。

 

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FC-100DL / FS-102(N,NS含む) / FC-125(N含む) 各鏡筒には「マルチCAリング125」を。

 

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FS-128(N,F含む) / FS-152 各鏡筒には「マルチCAリング128」を。

 

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FC-50 + FC/FSマルチフラットナー1.04× 接続例です

 

五藤光学研究所の単眼鏡【GT-M518】取り扱い開始しました!

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スターベース東京店にて、五藤光学研究所「GT-M518」の取り扱いを開始いたしました!店頭には見て触ってお確かめいただける展示機・在庫をご用意しております。お値段は税別25,000円です。

 

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画像は五藤光学研究所様のウェブサイトより。

 

覗いてみるとそのコントラストの高い像に驚かされます。黒いものは黒く、しっかりと引き締まって見えるので、用途を問わず使っていて大変心地のよいものです。高性能な光学系ですので、天文ファンの皆様にもぜひ店頭にてお試しいただきたいと思います。

 

天文に興味がないという方もぜひお越しください!当店は「GT-M518」取扱店として上野の博物館群に最も近いと思いますので、素晴らしい展示をご覧になるためのお供として、永く使えるしっかりした単眼鏡をご検討になるのもよろしいでしょう。

 

五藤光学研究所様のウェブサイトは↓↓↓

www.goto.co.jp

です。

 

 

【SXP2赤道儀+ASG-CB90三脚】試用レビューです

 

先日の嬬恋村遠征ではFC-100DF鏡筒一式をSXP2赤道儀に載せて撮影を行いました。SXP赤道儀と外観が大きく変わったSXP2赤道儀ですが、新型三脚と合わせた全体の使い心地について、下記レビューを述べたいと思います。

 

※本記事の内容はあくまで個人の感想です。ご了承ください。

 

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今回の遠征に使用した機材一式です。SXP2赤道儀にFC-100DF鏡筒・GT-40を「親子亀方式」で載せました。この一式で総額税込110万円ほどになります(カメラ込み)

 

<ASG-CB90三脚>
・SXP赤道儀の推奨三脚であった「SXG-HAL130」とくらべると、組み上げた際の方位方向のねじれが減っています。また脚の伸縮固定は軽い力でガッチリ締めあげることが可能で、ストレスなく運用できます。

・性能面でも優れたASG-CB90三脚ですが、一番の魅力は軽量・コンパクト性にあると思います。車移動においても軽量・コンパクトなので荷室の隙間に気軽に入れられるのは大きなメリットです。特に疲労の溜まった撤収時には、大きくて重い三脚を運ぶ必要がないので精神的にもとても楽になります。


<SXP2赤道儀
・極軸体を両側の板で支えるフォーク式構造を採用していますが、ここに手を掛けると片手で持ち上げることが可能でした。空いたもう一方の手で収納ケースを開いたり、三脚に載せるときのガイドをしたりと、持ち上げるのに両手が必要な赤道儀とくらべて使いやすかったです。

・ウェイトレス構造のため、少しのバランスウェイトで大きな鏡筒等を搭載できます。ただし今回のFC-100DF一式のように軽めの鏡筒等を載せるときは、付属の3.7kgウェイトではウェイト側が重すぎて釣り合いがとれませんので、軽めのウェイトを追加購入する必要があります。(今回は2.8kgウェイトを1ケ使用しました)

赤経クランプがSXPの側面から極軸体の上面へ移動しました。この影響で、鏡筒の前後バランスを調整するときなど「赤緯クランプを緩めて赤緯軸を回す」動作をすると、赤緯クランプを持つ指が赤経赤緯の両クランプに挟まれる可能性があります。特に初期状態で鏡筒前後バランスが大きく偏っている場合などは、鏡筒等の自重で指を強く挟まれる危険がありますので十分注意が必要です。

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赤緯軸を大きく回す時は注意してください

・極軸合わせに使う極軸高度調整ネジは大変ピッチの細かいものが採用されています。強力な締め付けが可能な一方で、締め付け完了となる位置が曖昧で、力を込めればどこまででも回せてしまいそうな気がします。もう少しピッチの粗いネジでもよかったかもしれません。


<全体の使用感>
SXP2+ASG-CB90三脚に長い鏡筒を載せ、その鏡筒を押したり引いたりすると若干のしなりのようなものを感じられます。これは主に三脚の方位方向のねじれでしょう。ただしこれはとても意地悪なチェックで、実際、今回の撮影ではオートガイド成功率は100%でした。少なくとも数kg程度の鏡筒等で天体撮影を行う場合、SXP2+ASG-CB90三脚の組み合わせは、大変実用性の高いものと言えるでしょう。

 

※タカハシ「メタル三脚SE」や「EM-200赤道儀」は大変剛性が高く、手で強くゆすってもガタやねじれはほとんど感じられません。こうした「意地悪なテストに耐える機材」は過酷な環境下でも安定して使用できますが、重く大きく、もしくは高価になってしまうのが実情です。
天体撮影時に風が機材を押す力は、手でグイグイ押すのよりはるかに小さなものです。手でゆすって若干のしなりが感じられると不安になるかもしれませんが、実用上問題がなければそれでいいという考え方もあります。