スターベース東京のブログ

スターベース東京のブログです。店頭の様子や機材情報を中心に書いていきます。不定期更新。

【RedCat51 f/4.9】展示&取り扱いを開始いたします!

 

巷で話題になっているWilliam Opticsの「RedCat51 f/4.9」ですが、この度スターベース東京店でも展示と取り扱いを開始いたしました!現在は展示機のみ・ご予約受付中ですが、製品出荷が開始となりましたら店舗在庫も持ちたいと思っています。

 

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フード格納時はわずか22cm弱。コンパクトでかわいい筒です

写真用コンパクト鏡筒としてはすでにタカハシ「FS-60CB」やビクセン「FL55SS」がありますが、これらも展示をしていますのであわせて見比べることができます。実物を見てみたい!という方はぜひお越しください。

本体価格79,000円(+税)で、M48カメラマウントが別途必要になります。

 

 

 

【FSQ-85EDP+エクステンダーED1.5×】高性能680mmでクローズアップを狙おう!

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ばら星雲 2018年12月11日 長野県・野辺山高原にて撮影


 

◇概要
FSQ-85EDP("P"なしも同じ)に専用の「エクステンダーED1.5×」を併用すると、焦点距離680mm / F8.0 / イメージサークル44mmになります。

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FSQ-85EDP + EXT + Canon EOS6D(IR改造) ISO-3200 360s jpeg撮って出し

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FSQ-85EDP + EXT + Canon EOS6D(IR改造) フラット画像

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FSQ-85EDP + EXT 実写画像(撮って出し)

 

フラットナー併用時と同様に、エクステンダー併用でも35mmフルサイズの全域にわたり均質で精密な星像が得られます。フラットナー併用時とは異なり倍率色収差(周辺部の星の色ズレ)が認められますが、各色に対しては星像はしっかり円形を保っていますので、たとえばLightroomでは「色収差の除去」に✔を入れるだけ(本当にワンクリックです!)で、下の画像のように倍率色収差を取り除き、隅々まで均質で色ズレのない像を得ることができます!

 

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FSQ-85EDP + EXT 実写画像【色収差を除去】

 

FSQシリーズの最小モデルながら星に色ハロがほぼ全く発生せず、端正で緻密な色表現が可能なFSQ-85ED(P)。直焦点はもともとAPS-Cまでのセンサーを考慮した設計ですが、レデューサー・フラットナー・エクステンダーの3種の焦点距離では全ての場合で35mmフルサイズの周辺までご満足いただける像を得られることと思います。

海外遠征に持ち出せるほど軽量コンパクトでありながら、天体写真機として妥協のない仕上がりです。 

 





 

 

【FSQ-85EDP+フラットナー1.01×】隅々まで点像、素晴らしい性能です

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M45 2017年9月22日 福島県田村市にて撮影

 

◇概要
FSQ-85EDP("P"なしも同じ)に専用の「フラットナー1.01x」を併用すると、焦点距離455mm / F5.4 / イメージサークル44mmになります。

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FSQ-85EDP + FL + Canon EOS6D(IR改造) ISO-2000 360s jpeg撮って出し

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FSQ-85EDP + FL + Canon EOS6D(IR改造) フラット画像

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FSQ-85EDP + FL 実写画像(撮って出し)

 

直焦点ではフルサイズ周辺の星像がわずかに円周状に流れますが、本フラットナーの併用でこれをほぼ完全に解消できます。中心からフルサイズ最周辺まで、星像の大きさ・形の変わらない、全面で星を「点」に写せる非常に優秀な光学系となります。直焦点と同様に星に色ハロが発生しませんので、緻密で素直な画像表現が可能となります。

デジタルカメラの背面液晶(ライブビュー使用)でピント合わせするさい、ピントが合った瞬間の星像の立ち上がりが大変鋭く、バーティノフマスク等がなくてもピントの山を掴みやすいのはFSQ-85ED(P)のすべての補正レンズ含む状態に共通するメリットです。これは色ハロがほとんどないためでしょう。

 

 





 

 

【営業時間変更のお知らせ】東京店は3月より「水曜」定休日になります!

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平素は当店をご利用頂き誠にありがとうございます。当店ではこれまで毎週木曜日を定休日としてまいりましたが、2019年3月より毎週水曜日を定休日とさせていただくこととなりました。お客様には大変ご迷惑をおかけ致しますが、何卒ご理解いただきます様、お願い申し上げます。

【FSQ-85EDP 直焦点】色ハロ皆無、星の色を素直に表現できるのが魅力です!

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ηカリーナ星雲 2017年2月27日 ニュージーランド・レイクテカポ湖畔にて撮影

◇概要
FSQ-85EDP("P"なしも同じ)は焦点距離450mm / F5.3 の鏡筒です。写真撮影向きの鏡筒ではありますが、実は眼視用にも好適です。眼視での中心像はヌケがよくシャープで、TOEシリーズアイピースを使っての月面・惑星観望も十分対応できるほか、低倍率で月面の場所ごとの色の違いを眺めるのにも向いています。

本記事では直焦点時の写真性能について、実写画像をもとに見ていきたいと思います。

 

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FSQ-85EDP + Canon EOS6D(IR改造) ISO-1600 420s jpeg撮って出し

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FSQ-85EDP + Canon EOS6D(IR改造) フラット画像

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FSQ-85EDP直焦点 実写画像(撮って出し)

中心像は文句なくシャープで、APS-C最周辺ではわずかに円周上に星像が流れ始めますが、ここまでであれば実用上点像といってよいでしょう。35mmフルサイズ最周辺の星像の伸びは、本テスト機では画像左下で目立ちますが、これはA3ノビにプリントした画像では実長さで1mm未満で、等倍画像で見ない限りほとんど気にならないでしょう。それよりも、画面全域にわたり色ハロのない素直な星色表現に注目してください。
フルサイズ最周辺での星像の円周上ノビが気になる可能性があるのは
・モザイク合成するとき(境界部で星の形が変わる)
・星を小さくする処理を掛けるとき(伸びた星像を小さくすると線状になってしまう)
くらいだと思います。そのような場合は「フラットナー1.01x」の併用をご検討ください。

 

【~2/4 期間限定展示】TSA-120Nを展示しています!

2月4日まで、スターベース東京店では「TSA-120N」鏡筒を展示しています!通常仕様と「N」を並べて展示しておりますので、見て触って、その違いをお確かめいただけます。

 

TSA-120鏡筒は口径12cmの光量と抜群のシャープネスの高さがあるにも関わらず、大変軽量コンパクトなことで皆様にご好評いただいております。今回限定販売となっている「TSA-120N」は、ノーマル仕様で対物フードに伸縮機構を持たせていたのを固定式とすることで、さらなる軽量化と低価格化をはかったモデルです。

 

「TSA-120」「TSA-120N」どちらも、気軽に眼視を楽しみたいけれど性能には妥協したくないという方にはもちろん、眼視も撮影も楽しみたいという方にも、きっとご満足いただける製品です。ぜひこの機会に実機をご覧ください!

 

※1/25現在…TSA-120N鏡筒はまだご注文受付中ですが、在庫がなくご注文からお渡しまでしばらくお時間をいただいております。

 

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ノーマル仕様・フード最長時。全体長さはほとんど変わりません

 

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ノーマル仕様・フード最長時。

 

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フードリングの配色が異なります。左=ノーマル(伸縮あり)、右=「N」(伸縮なし)

 

 

【M-180C + μフラットナーレデューサー実写画像】眼視だけじゃない!銀河撮影にもミューロンを使いこなそう

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M81 2019年1月10日 長野県小海町にて撮影

※上の画像はAPS-Cサイズ(1.6分の1)にトリミングしています。

 

◇概要

M(ミューロン)180C鏡筒に「μフラットナーレデューサー」を併用すると、焦点距離1760mm / F9.8 / イメージサークルΦ30mmとなりデジタル一眼レフなどのセンサーサイズに対応した写真用鏡筒となります。ミューロン(-CRSではない)は眼視や月惑星撮影専用と思われがちですが、実は本フラットナーレデューサーの併用で、銀河や星団への適性の高い、天体写真用の望遠鏡としても活かせるようになります!

本記事ではなかなか知られていないミューロンの良いところを紹介したいので、いつもより長めの構成となります。

 

まずはいつも通り

◇実写画像

を見ていきましょう。

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気流の「悪くない」日。Canon EOS6D(SEO-SP4) ISO-3200 600秒 jpeg撮って出し

 

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気流の「とても悪い」日。カメラなど条件は同じ。ただしフラット補正済み

これまでテストしてきた小口径屈折とは異なり、長焦点撮影時の星像の大きさは気流の影響をもろに受けます。星像そのものが常に細かく揺れ動いているために、その時間積分の結果として星像が大きくなるだけでなく、オートガイダーが気流の影響を拾うことで赤道儀の(オートガイド込みの)追尾精度が落ちることも星像肥大に影響します。

 

一般に「気流の不安定な冬場」+「大口径・長焦点」の組み合わせは星像がボテボテになってしまう最悪のパターンなのですが、それが功を奏して(?)今回は35mmフルサイズの周辺まであまり変わらない星像を得られました。

※ただし気流の安定する夏場ではまた違った結果になると思います。

 

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M-180C +μフラットナーレデューサー + Canon EOS6D(SEO-SP4)フラット画像

こちらはフラット画像です。イメージサークルΦ30mmのあたりから急な減光がはじまり、フルサイズの隅ではほとんど光を受けていないように思われます。ですが周辺光量はゼロではないので、上の撮って出し画像2枚目のように、フラット補正を行うことでフルサイズ周辺部の一応の救済が可能です。

フラット補正にかんしては、これまでテストしてきた小口径屈折と同様に、PC白色画面を撮影する方法が使えました。小口径屈折ではピッタリあうのですが、今回は過補正気味となってしまいました。この方法はいずれ紹介したいと思います。

 

銀河や星団の写真では、背景はあまり強調処理をかけず、暗めに仕上げることが多いと思います。その意味では(=フラット補正とともにノイズごと明るくなってしまった周辺部は、画像処理によってまた暗めに戻るのでノイジーな感じを受けない)μフラットナーレデューサーは「35mmフルサイズのカメラでも対応可能」と言ってよいかもしれません。

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トップ画像のトリミングなしバージョン。フルサイズのカメラだとこのような仕上がりになります

※右端に見切れているのはM82スターバースト銀河です。 

 

今回は等倍切り出し画像は(切り出した領域にほとんど星がなかったので)割愛します。

 

 

◇ピント合わせについて

ミューロン180Cは3本スパイダーを採用しているため、輝星には60°ごと、計6本の光条が出ます。なんとこの6本の光条は「ピント合わせ時にバーティノフマスクと同じはたらきをする」ので、ピント合わせがたいへん楽です!これは3本スパイダーのメリットのひとつですね。

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3本スパイダーはピント合わせには超便利!

 

◇ゴースト

M81の画像は、100m程度離れた場所にある複数の街灯の光を直に受けながら撮影したものです。画像左上の青い線をはじめ、よく見るといくつかのゴーストが確認できます。迷光を受ける環境では何らかの対策があったほうがよいでしょう。一方でM51の画像(近くに光源なし)ではゴーストは全く確認できません。

 

◇オートガイド

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星像が点にならない要因はいろいろあります。赤道儀本体の追尾精度だけでなく、三脚の地面に対する沈み込み、極軸合わせの精度、鏡筒や各種ケーブルが風に振られること、各部の自重によるたわみ、各種ケーブルの自重のかかりかたの時間変動など、ほんとうにさまざまな要因が重なり合って、星が「流れた」という症状になります。

オフアキシスガイドは有効な解決策のひとつですが、今回の組み合わせでは周辺光量が足りないのと長焦点ゆえにガイド星が見つからないと困ると思い、「アリガタを長いものに交換」して親子亀ならぬ「コバンザメ方式」でオートガイドに挑戦しました。

 

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「コバンザメ方式」。架台はEM-200、ガイド鏡はGT-40、オートガイダーはM-GENを使いました

 

その結果が上の画像です。10分間の露光に対して星はほとんど点像を保っています。わずかなズレは「長アリガタのたわみ」「オートガイダーケーブルが風に吹かれたこと」などに起因すると思われますが、それでもオートガイドしないのとでは雲泥の差です。

また、上の画像で確認できるように、露光中にミラーが傾いて星像が動く等といった現象は見られませんでした。(いわゆるミラーシフトはこのことではありませんので混同しないようご注意ください)

 

※EM-200の追尾精度が悪いのではありません。実際、ノータッチのほうの星像の「流れ」に対して垂直な方向の「振れ」は約3.5秒角と僅かです。長焦点の追尾はそれだけシビアだということです

※この「長アリガタ」は現在商品化を目指して企画中です。ご期待ください

 

 

◇まとめ

ミューロン180C(、210)は眼視や月惑星専用ではなく、オートガイドを併用すれば銀河や星雲、星団のクローズアップ撮影にも好適です!