スターベース東京のブログ

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使いやすい + 高性能 = とってもイイ!  FC-76DCUのご紹介です。(作例写真あり)

FC-76DCUは当店では、天体望遠鏡は初めてだけれどせっかく買うなら良く見える&長く使える高品質なものが欲しいというお客様に多くお買い求めいただいています。また、ライフスタイルの変化に合わせて、ご所有の大型機材をベランダ運用できるような小型の屈折望遠鏡に切り替えたいベテランさんにも人気があります。

 

対物レンズにフローライトを使用した高性能な2枚玉屈折望遠鏡であるFC-76DCUは、眼で見て楽しむ用途(眼視)でももちろん大活躍しますが、アイピースの代わりにカメラを取り付ければ高性能な写真用レンズに変身します。

先日、夜空の暗い場所へ出かける機会がありましたので、また(*)FC-76DCUを持ち出して天体写真を撮ってみました。それがこちらです。↓↓↓

アンドロメダ銀河 FC-76DCU + FC/FSマルチフラットナー1.04× + Canon EOS6D(IR改造) ISO-2500 4分×60枚(総露出4時間)

赤道儀はEM-11の前身であるEM-10(公称搭載重量約7kg)を使いました。

やっぱりナナロク(※FC-76シリーズに対する愛称)は良いです!このフラットナーを使うと焦点距離590mm F7.8とやや暗くなりますが、その分ピントを追い込みやすく、温度変化にともなうピント移動も少なめで、安心して撮影できます。シンプルな小口径の2枚玉なので、温度順応にあまり時間が掛からないのもGood。35mmフルサイズの四隅まで星がくっきり円形に写ることも魅力です。

撮って出し(ISO-2500 4分)

等倍画像

FS/FCマルチフラットナー1.04×のスポットダイアグラムのデータを見ると、FC-76D(DCUとDS)に組み合わせた場合が最もシャープになるとのことです。実際、このデータを裏切らないとても良い像が得られました。

 

画像処理のご紹介です。コンポジット後、上の「撮って出し」画像のとおり星雲の色合いが紫系に偏っていたので、ステライメージ9の「オートストレッチ」という機能を使って好みの色調に調整しました。その後も主にステライメージ9で明るさに関係する部分を調整し、最後にAdobe Lightroomで色合いに関係する調整を施して完成としました。(途中の細かい調整は省略します)

おおまかな画像処理の流れ

(*)

過去にもFC-76DCUを使った天体写真の記事を書いていました。こちらです。

starbase.hatenablog.jp

starbase.hatenablog.jp

 

 

オートガイドは鏡筒のファインダー脚台座部分に取り付ける方法にしました。スタッフはガイド鏡にQHYCCD mini Guide Scopeを愛用しています。これは対物フードがとても長いため対物レンズが結露しにくく、また内部のつや消し処理がしっかりしているので市街地など迷光のある環境でも安心して使えます。

FC-76DCUにQHYCCD miniGuideScopeを取り付けた様子。アダプターは「NorthernCross タカハシ鏡筒用ファインダー台座」、ガイドカメラは「QHY 5L-II-M」。

 

FC-76DCUは、眼視用に使った場合の「見え味」ではより大口径のFC-100Dシリーズに及びませんが、前後に分割して移動・運搬できるので、可搬性においては圧倒的に有利です。またFC-100Dシリーズで最軽量のFC-100DC(ファインダー込み3.1kg)よりも1kg以上軽い(同1.9kg)のも魅力です。それでいて天体写真撮影用にも確かな実力があります。小さくて、よく見えて、よく撮れて、長く使える。FC-76DCUは、そんな天体望遠鏡をお探しの方にぜひお勧めしたい製品です。

収納時の大きさ比較。上=FC-100DC / 下=FC-76DCU

 

 

2021年10月版(最新印刷版)タカハシカタログのFC-76DCU紹介部分です。