スターベース東京のブログ

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TOA-645フラットナーのTSA-120鏡筒への適合について(その2)

12月13日に、新型7.5×50ファインダー仕様となってTSA-120鏡筒が受注再開されました。口径の割に軽量で、見え味抜群の高性能3枚玉屈折望遠鏡です。多くの方にご愛用いただいております。

今回はタイトルの通り、TSA-120鏡筒の天体写真適性について、少し詳しくご紹介したいと思います。

 

以前の当店ブログ記事

starbase.hatenablog.jp

では、TOAシリーズ鏡筒用に最適化されたTOA-645フラットナーTSA-120鏡筒にも使用できるのではないかと仮定して、周辺減光やリング構成について検討しました。その後こちらのブログ記事

starbase.hatenablog.jp

では実際に夜空の暗い場所へ持ち出して、35mmフルサイズの周辺までシャープな結果が得られることを確認しました。

 

これらの結果を受けてタカハシの設計データを確認したところ、TSA-120鏡筒 + TOA-645フラットナーの組み合わせはTOAシリーズほどスポットダイアグラムが「点」にはならないものの、周辺まで比較的均一な結像が得られること、また光学系の周辺光量はほぼ全く無く、35mmフルサイズの周辺まで周辺光量が豊富なことが分かりました。

 

今回のブログ記事ではTSA-120鏡筒に対する2種類のフラットナーレンズ(TOA-35フラットナーとTOA-645フラットナー)について、設計データから得られたスポットダイアグラムと周辺光量グラフをご紹介します。

 

【TSA-120 + TOA-35フラットナー】

TSA-120 + TOA-35フラットナー

マイクロフォーサーズの周辺部あたりから周辺減光が始まり、Φ40mmあたりで中央比光量が60%となります(このためイメージサークルをΦ40mmとしています)。フルサイズ最周辺では中央比光量は約55%です。スポットダイアグラムはフルサイズ最周辺まで均一でシャープな像が得られることを示しています。

 

【TSA-120 + TOA-645フラットナー】

TSA-120 + TOA-645フラットナー(150セット)

TOA-645フラットナーには「130セット」と「150セット」がありますが、TSA-120鏡筒に対しては150セットのほうが相性が良さそうです。

スポットダイアグラムの比較ではTOA-35フラットナー使用時と比較して、赤・青のハローがわずかに多いような状態となりますが、以下に再掲する実写画像では特に気になりません。(シーイングのとても良い日には差が分かる可能性もあります)
TOA-645フラットナーは大口径のレンズを採用しており、フラットナーレンズによるケラレはありません。フルサイズの最周辺までほぼ100%の光量を維持しています。(実際は接続リングのケラレで周辺減光が生じることもあります)

 

タカハシの発表データに準ずる形でイメージサークルを定めるのなら、スターベースとしてはTSA-120 + TOA-645フラットナー150セットの組み合わせは【イメージサークルΦ44mm以上】と言いたいです。フルサイズを超える範囲の結像については現状では不明ですが、デジタル中判カメラをお持ちの方は試していただく価値はあるかもしれません。

 

システムチャートも作成しました。

TSA-120 + TOA-645フラットナー システムチャート
※12/27 : 誤りがありましたので修正版に差し替えました。

#50 フィルターボックス補助リング(TSA-102)は無くても無限遠に合焦しますが、有った方がドロチューブの繰り出し量を減らせるので心理的な安心感が得られます。またオートフォーカサーを使っている場合はドロチューブの繰り出しに掛かる時間を短くできるメリットがあります。

カメラマウントDX-WRは、純正品ではEOS(EFマウント)とNikon(Fマウント)のみですが、その他のメーカーのカメラを取り付ける場合は当店オリジナルの相当品セットが使えます。

 

また、冷却CMOSカメラ等をねじ込みで接続する場合はタカハシ接続リングM54-M48を使うと後端を一般的な規格(M48ネジ / バックフォーカス55mm)にできるほか、富士フィルムGマウント(GFX)はスターベースオリジナルの中判カメラ取付アダプター(TOA-645FL)BORG[5031]の組み合わせで最適な接続ができます。その他ご自身でカメラ接続アダプターを用意する場合、フラットナーレンズの後端ネジ規格はM72オスで、後端面から焦点面までのバックフォーカスは62.5mmが設計値ですので、これを参考にしてください。

 

以下はTSA-120 + TOA-645フラットナーで撮影したフルサイズ作例の再掲です。

TSA-120は眼視性能に定評のある大口径屈折望遠鏡ですが、TOA-645フラットナーを使えばフルサイズ周辺までほぼ光量100%で撮影できます!周辺減光が無いので星像にケラレ由来の回折光条が発生しにくいと想像されます。構図内に明るい星の有る構図(馬頭星雲付近など)では、焦点距離890mmで撮るのに最適な1台になるでしょう。Fが明るく四隅までシャープになるTOA-35レデューサー150セットも使えます。TSA-120鏡筒をぜひご検討ください!

M101 TSA-120 + TOA-645フラットナー + ZWO ASI6200MC Pro
ゲイン100 2分×135コマ 総露光時間4時間30分

(左)画面左上 (右)中央 のそれぞれ1000ピクセル四方切り出し

中央の等倍切り出し。シーイング条件による星像の変化について。
(左)今回の撮影で最もシャープなコマ 
(右)最も星像肥大の大きなコマ

 

IMX585センサーの冷却CMOSカメラ(Player One Uranus-C Pro等)と同じセンサー面積でトリミング
※星像の肥大を復元する処理(BlurXTerminator)は使用していません。